[ロンドン ３０日 ロイター] - 米資産運用大手ブラックロックのＬＤＩ（債務連動型運用）部門は顧客の小規模年金基金に対し、複数の運用会社に資産を分散させないことを推奨している。
ＬＤＩ運用をより強固にするための新たな規則により、一部の年金基金はＬＤＩを採用できなくなるとの懸念が背景にある。しかしコンサルティング会社などによると、投資先を一カ所に集中させるリスクを避けたい年金基金は反対する可能性がある。
ＬＤＩは運用収入が負債に見合うようにするためのヘッジ（損失回避）戦略で、多くの英年金基金が採用していたが、昨年９月に英国債利回りが急上昇した際に壊滅的な打撃をもたらした。年金基金はヘッジを維持するための追加証拠金を求められたが、多くの投資家から資金を集めるファンドの一部はこの資金を調達できなかった。
ブラックロックはこれらの基金に対し、将来の市場ショックに耐えるのに必要なバッファーを制限するためにＬＤＩ以外の資産を１つの運用会社に移すことを勧めている。
ブラックロックのＬＤＩ部門の責任者アレックス・クラリングブル氏は担保のための資金調達手段が増えるとして「今後は資産全体を１つの運用会社に預ける傾向が強まる」との見方を示した。