(内容を追加しました) [ニューヨーク 29日 ロイター] - (カッコ内は前営業日比)
ダウ工業株30種(ドル) .DJI 終値 17596.35(‐350.33) 前営業日終値 17946.68(+56.32)
ナスダック総合 .IXIC 終値 4958.47(‐122.04) 前営業日終値 5080.51(‐31.68)
S&P総合500種 .SPX 終値 2057.64(‐43.85) 前営業日終値 2101.49(‐0.82)
29日の米国株式市場は週末のギリシャ支援協議が決裂したことを受け、同国がユー ロ圏を離脱する可能性があるとの懸念から大幅安となり、主要3指数はそろって約2%下 落して終了した。
ダウ工業株30種 .DJI は350.33ドル(1.95%)安の1万7596.35 ドル。 ナスダック総合指数 .IXIC は122.04ポイント(2.40%)安の4958. 47。 S&P総合500種 .SPX は43.85ポイント(2.09%)安の2057.64 。
ダウ工業株30種とS&P総合500種の下落率は2014年10月9日以来の大き さで、いずれも年初来でマイナス圏に転じた。ナスダック総合指数の下落率は3月25日 以降で最大となった。 投資家の不安心理の度合いを示すシカゴ・オプション取引所のボラティリティ・イン デックス(VIX) .VIX は34.5%上昇の18.86とおよそ5カ月ぶりの高水準に 達した。
ギリシャ政府当局者が30日に期限を迎える国際通貨基金(IMF)に対する債務返 済を行わない意向を表明したことから、デフォルト(債務不履行)はほぼ確実になった。 ギリシャの経済規模は小さく、ほとんどの米国企業の同国向け事業は限定的とはいえ 、ギリシャがユーロ圏を離脱した場合に欧州全土に影響が飛び火する事態を投資家は懸念 している。 さらに米株式市場ではプエルトリコの債務問題や軟調な中国株への不安も広がった。
ウェドブッシュ・セキュリティーズの株式トレーディング部門マネジングディレクタ ー、マイケル・ジェームズ氏は「今年のほとんどの局面で見られた押し目買いムードを促 す材料は皆無だ」と語り、30日も株価は下落する可能性があると予想した。 その上で同氏は、ポートフォリオマネジャーたちは四半期末にわざわざリスクの高い 株式を資産に計上したいとは考えないため、ギリシャ絡みでよほどの好材料が出てこない 限り、30日に地合いは好転しないだろうとの見方を示した。 パフォーマンス・トラスト・キャピタル・パートナーズのトレーディング部門ディレ クター、ブライアン・バトル氏は「ユーロ圏から加盟国が離脱する仕組みは存在せず、実 際に発生した例もない。何が起きるかわからない時は、売りに動いた後で様子見姿勢を取 るものだ」と話した。
S&Pの主要10セクターはそろって下落し、金融株 .SPSY が2.44%安と最も 下げがきつかった。米銀のギリシャ向け債権は127億ドルとなっている。 JPモルガン・チェース JPM.N は2.5%安、ウェルズ・ファーゴ WFC.N は2.4 %安、ゴールドマン・サックス GS.N は2.6%安となった。 プエルトリコの債務問題をめぐってBTIGが金融保証保険会社の投資判断を引き下 げたため、アシュアード・ギャランティー AGO.N は13.3%、MBIA MBI.N は23 .4%、それぞれ値下がりした。
騰落銘柄数はニューヨーク証券取引所が下げ2874で上げ282(比率は10.1 9対1)、ナスダックが下げ2469で上げ367(6.73対1)だった。 BATSグローバル・マーケッツのデータによると、米取引所の合計出来高は約73 億株で、6月平均の63億株を上回った。