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MDNT Research Memo(8):「慢性心不全治療」が2024年春に医師主導第IIb完了に向けて着実に前進

発行済 2023-07-04 14:38
更新済 2023-07-04 14:46
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*14:38JST MDNT Research Memo(8):「慢性心不全治療」が2024年春に医師主導第IIb完了に向けて着実に前進 ■メディネット (TYO:2370)の事業活動の進捗と今後の取り組み

2. 再生医療等製品事業の進捗と今後の取り組み
再生医療等製品事業では、製品開発段階である1) 「慢性心不全治療を目的とした再生医療等製品の実用化」(九州大学との共同研究開発)、2) 「膝軟骨損傷に用いる自家細胞培養軟骨「NeoCart®」」の2テーマを推進している。
研究開発段階では、3) 「HSP105由来ペプチドに関連したがん免疫療法」(国立がん研究センターとの共同研究開発)、4) 「糖鎖修飾改変Tリンパ球(2-DGリンパ球)培養技術の応用」、5)「先制医療※における免疫細胞治療の有用性にかかる共同研究等の研究開発」、6) 「MUSCAT-assay」(岡山大学との共同研究)、7) 「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の予防を目的とした自家樹状細胞ワクチンの開発」(国立がん研究センターと共同研究)、8) 「自己中和抗体産生に起因する病態に対する特異的B細胞除去」(京都府立医科大学との共同研究開発)、と8つのテーマを進めている。
このうち、1) 「慢性心不全治療を目的とした再生医療等製品の実用化」へ優先的に資源を集中している。
それ以外の開発テーマについては、開発が一定程度進んだ段階で事業性評価をベースに優先的に取り組む方針である。


※先制医療とは、病気の発生を未然に防ぐことを目的に、様々な背景因子等による予測・診断を踏まえ、症状や障害が起こる以前の段階から実施する医療のこと。



これら8テーマのうち、研究開発段階の2テーマの開発を中止した。
中止したのは、7) 「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の予防を目的とした自家樹状細胞ワクチンの開発」、8) 「自己中和抗体産生に起因する病態に対する特異的B細胞除去」である。
いずれも十分な成果が得られず、開発上の課題解決に時間を要するため、共同研究先と協議したうえで共同研究契約を終了した。
なお、今回の共同研究で得られた知見や研究成果は次の研究に生かすとしている。


再生医療等製品事業においては、新規有望研究開発シーズの探索、国内外の企業で出口が見えている開発テーマのライセンスイン、または当該企業・研究機関との資本業務提携等といった動きが今後あるかどうかにも注目したいところである。


1) 「慢性心不全治療を目的とした再生医療等製品の実用化」の進捗
同社と九州大学は難治性疾患である拡張型心筋症における新たな治療法として、樹状細胞を担体としたαガラクトシルセラミド(α-GalCer/DC)を用いてナチュラルキラーT細胞を活性化させ、慢性心筋炎症を制御する研究に取り組んでいる。
有効性及び安全性を確認する医師主導第IIb相臨床試験が九州大学にて、2022年5月に先行実施された。
現在は、5施設に拡大して共同試験(九州大学の他に4大学病院施設)を実施し、症例登録を促進中である。
IIb試験は2024年3月までの予定である。


本開発テーマは、同社の開発パイプラインの中で製造販売承認に最も近い。
IIb試験終了後にPMDA((独)医薬品医療機器総合機構)と相談しながら期限付き・条件付きで製造販売承認を得ることがベストシナリオであると、同社は考えている。


2) 「膝軟骨損傷に用いる自家細胞培養軟骨「NeoCart®」」の進捗
同社は2017年12月から米国Ocugen (NASDAQ:OCGN)と自家細胞培養軟骨「NeoCart®」の日本国内での製造・販売権契約をしている。
OcugenはFDA(米国食品医薬品局)と追加PhaseIII試験プロトコルについての協議を開始し、自家細胞培養軟骨「NeoCart®」による成人の膝軟骨の修復治療に関して、FDAよりRMAT※の指定を受けたと2022年5月末に発表した。
Ocugenは現在、2024年の治験開始に向けてFDAとプロトコル最終化に向けて協議しており、治験製品製造体制の構築を進めている。
同社は、OcugenがFDAと合意したPhaseIIIプロトコルが確定次第、2023年9月期中に、日本における自家細胞培養軟骨(開発番号「MDNT-01」の開発方針等を決定するとしている。


※RMATは再生医療のうち、重篤な状態に対する治療で、予備的な臨床的エビデンスによりアンメット医療ニーズに寄与する可能性が示唆される品目が指定の対象。
RMAT指定品目は、優先審査と迅速承認の機会が与えられる。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水啓司)

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