[3日 ロイター] - 米アップル が3日発表した第3・四半期(7月1日まで)決算は、売上高と利益が市場予想を上回った。ただ、今期も減収が続くとの見通しを示したことを受け、株価は引け後の時間外取引で約2%下落した。
第3・四半期の売上高は1.4%減の818億ドル、1株当たり利益は5%増の1.26ドル。リフィニティブがまとめたアナリスト予想の816億9000万ドル、1株当たり1.19ドルを上回った。iPhoneの売上高は減少したが、アップルTVプラスなどサービス部門や中国の好調な売り上げが補った。
ルカ・マエストリ最高財務責任者(CFO)は第4・四半期について、売上高の前年比較で前期と同様の減少率を見込むとし、4期連続の減収となる見通しを示した。リフィニティブがまとめたアナリスト予想は前年比ほぼ横ばいの901億9000万ドル。
フューチュラムグループのアナリスト、ダニエル・ニューマン氏は「売上数量の回復時期や、iPhoneの販売が上向く時期について懸念が強い」と指摘した。
今期の粗利益率見通しは44─45%と、アナリスト予想の43.4%を上回った。マエストリ氏は、サービス部門は堅調を見込む一方、iPadとMacの売り上げは2桁台の減少になるとの見通しを示した。
研究開発費は今年度累計で226億1000万ドルに達し、前年度の同時点に比べ約31億2000万ドル増加した。ティム・クック最高経営責任者(CEO)はこれについて、生成AI(人工知能)に関する研究が一因だとロイターのインタビューで述べた。
同社製品にAIが新機能として登場することになるとし、1例としてiPhoneには今秋からボイスメールのメッセージをリアルタイムで書き起こす機能が加わると語った。
第3・四半期のiPhoneの売上高は396億7000万ドルで、アナリスト予想の399億1000万ドルを下回った。クック氏はiPhoneのインストールベース(利用台数)が過去最高を更新したと述べたが、数字は明らかにしなかった。
インサイダー・インテリジェンスのアナリスト、ジェレミー・ゴールドマン氏は、アップルがスマホ市場の成長減速による逆風に引き続き直面していると指摘した。
ただ、中国のスマホ市場では全体をアウトパフォームしたとみられる。カウンターポイント・リサーチによると、4─6月の中国スマホ販売は全体で8%減少し、2014年以来の低水準となった。一方、クック氏は同国でiPhone売上高が2桁増加したほか、他部門の売上高も好調だったと述べた。
グレーターチャイナ(大中華圏)の売上高は157億6000万ドルと、前年同期の146億ドルから増加した。クック氏はiPhoneへの乗り換えが四半期として最高で、新機種への買い替えも好調だったことが要因と指摘。このほか中国ではウエアラブル端末やサービス部門などについても四半期記録を更新したと語った。
メジャーリーグサッカーの放送契約を発表したアップルTVプラスを含むサービス部門の売上高は212億1000万ドル。アナリスト予想の207億6000万ドルを上回った。
クック氏によると、自社サービスと他社アプリを含むプラットフォームの契約者は10億人と、前期の9億7500万人から増加した。
腕時計端末「アップルウオッチ」やワイヤレスイヤホン「エアポッズ」を含むウエアラブル事業の売り上げは82億8000万ドルだった。アナリスト予想の83億9000万ドルを下回った。
MacとiPadの売り上げはそれぞれ68億4000万ドル、57億9000万ドル。アナリスト予想は66億2000万ドル、64億1000万ドルだった。