[東京 4日 ロイター] - 前場の東京株式市場で日経平均は、前営業日比189円37銭高の3万2899円99銭と続伸した。警戒された米雇用統計を大きな波乱なく通過した一方、景況感を示す指数は底堅く、米経済のソフトランディング(軟着陸)への思惑が投資家心理を支えた。国内のデフレ脱却の思惑も支援材料となり、幅広く物色された。TOPIXはバブル後高値を更新した。
日経平均は86円高でスタートした後、徐々に上げ幅を拡大した。米ISM製造業景気指数などが底堅く、市場では「米経済の軟着陸の思惑が支援した。8月半ばにかけて米長期金利の上昇が警戒されたが、金利が落ち着く中でこれまで警戒していた投資家が改めて買っている」(りそなアセットマネジメントの戸田浩司ファンドマネージャー)との声が聞かれた。海運や鉄鋼、輸送用機器などの景気敏感株が物色された。
一方、日本株高にはデフレ脱却期待といった国内要因も意識されている。日本のGDPギャップ推計値はプラス0.4%と15四半期ぶりにプラスとなった。「デフレ脱却への期待は半信半疑から確信に傾いてきている」(戸田氏)といい、銀行や保険はしっかりだった。インフレに強い不動産も堅調だった。
TOPIXは0.79%高の2368.29ポイントで午前の取引を終了。前週末に続き、バブル後高値を更新した。東証プライム市場の売買代金は1兆6069億5000万円だった。東証33業種では、値上がりは海運や鉄鋼、輸送用機器など32業種で、値下がりは水産・農林の1業種だった。
トヨタ自動車やJFEHLDG、三菱UFJ FGが年初来高値を更新した。一方、アドバンテストやソフトバンクグループは軟調だった。 東証プライム市場の騰落数は、値上がりが1368銘柄(74%)、値下がりは414銘柄(22%)、変わらずは50銘柄(2%)だった。