Manya Saini Echo Wang Anirban Sen
[ニューヨーク 5日 ロイター] - ソフトバンクグループ傘下の英半導体設計大手アームは5日、米東部メリーランド州ボルティモアで、ナスダック市場での新規株式公開(IPO)に向けた投資家向け説明会(ロードショー)を開始した。
事情に詳しい関係者によると、アームはボルティモアを拠点とするティー・ロウ・プライスのほか、サンズ・キャピタルなどと面会した。またIPO価格が決定される13日までの数日間でニューヨークなどの都市でも他の投資家と面会する予定という。
アームはこの日、IPOの仮条件を米国預託株式(ADS)1株当たり47─51ドルに設定すると発表した。時価総額520億ドルを目指し、米市場で今年最大の上場案件となる見通し。
ソフトバンクGはアームのADS9550万株を売り出し、調達額は最大48億7000万ドルに上る。
仮条件に基づく評価額は480億─520億ドル。アームは従業員への報酬として株式を発行する可能性もあり、完全希薄化後の評価額は最大545億ドルになる。
英ファンドマネジャー、アバディーンのポートフォリオマネジャー、ジェイミー・ミルズ・オブライエン氏は、ソフトバンクが目指す時価総額は「当初議論されたよりも納得できる」と指摘。さらにソフトバンクGが「中国と米国のテクノロジー戦争による一段の影響に加え、中国事業との関係にどのように対処するか注視している」と述べた。
ソフトバンクGはIPO完了後、アームの普通株式90.6%を保有する見込み。IPO関連の収益は受け取らないという。
アームの主要顧客である米アップル、エヌビディア、アルファベット、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)、インテル、韓国サムスン電子などがコーナーストーン投資家として株式を取得する見通し。
アームによると、これらの投資家は7億3500万ドル相当のADS購入に関心を示しているという。
主幹事はバークレイズ、ゴールドマン・サックス、JPモルガン・チェース、みずほフィナンシャルグループ。
主幹事がグリーンシューオプションを行使した場合、IPO調達額は52億ドルとなる。