[ワシントン 15日 ロイター] - バイデン米大統領は15日、全米自動車労組(UAW)が3大自動車メーカー(ビッグ3)の工場で一斉ストライキに入ったことを受け、ストは誰も望んでいないが、労働者はこれらの企業が上げている利益の分配を受けるべきだと述べた。
バイデン大統領は「記録的な企業利益」はUAWとの「記録的な契約」につながるべきだが、利益は労働者に公平に分配されていないと指摘。「誰もストライキを望んでいないが、労働者が団体交渉制度のもとで選択肢を行使する権利を尊重する」とし、「労働者の不満を理解している」と述べた。
その上で、これまでの交渉で企業側は何点かの重要な提案を行ったが、「企業側は一段と踏み込むべきだと考えている」と語った。
また、自身は労使交渉の双方と連絡を取り合っているとし、双方に対し再び交渉の席に着くよう呼びかけるとともに、「(双方に利益がある)ウィンウィン合意」を確実に得るため、スー労働長官とジーン・スパーリング氏をデトロイトに派遣する方針も示した。
UAWは15日未明、ビッグ3との労使交渉の不調を理由に3社の3工場で「史上初」の一斉ストライキを開始。14万6000人の労働者が加盟するUAWのような労働組合は、バイデン氏が2024年の次期大統領選で再選を果たすために重要なカギを握っている。