[日経平均株価・TOPIX(表)]
日経平均;33122.21;-120.38TOPIX;2414.36;-15.94
[後場の投資戦略]
本日の東京株式市場は前日の米株式市場と同様、重要イベント前の様子見ムードから動意に乏しい展開となっている。
米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果は日本時間21日午前3時頃に公表される予定。
今会合では、米連邦準備制度理事会(FRB)
が政策金利を据え置くことはほぼ確実とされている。
一方、四半期に一度の最新の経済・政策金利見通しが公表される予定で、今年末および来年末の政策金利中央値が注目される。
金利先物市場では年内の追加利上げの織り込みが4割程度にとどまり、来年末時点については0.25ポイントの利下げ2-3回分の実施を織り込んでいる。
しかし、足元の原油市況の上昇を受けて、最新の8月分の米国の消費者物価指数
(CPI)および卸売物価指数(PPI)は総合指数では予想を上回り、モメンタムを示す前月比では前の月から大きく加速した。
また、19日に発表されたカナダの8月CPIは前年同月比+4.0%と7月(+3.3%)を大幅に上回り、市場予想(+3.8%)も超過した。
上昇率は4月以来の大ききで、鈍化傾向にあったインフレは再び大きく加速に転じた。
これを受け、短期金融市場が織り込む10月のカナダの金融政策会合での追加利上げの確率は、CPI発表前の3割程度から5割程度にまで上昇した。
こうした中、FRBは引き続きインフレとの戦いが終了したなどと、市場が喜ぶような姿勢を打ち出せるわけは当然ないと思われる。
一方で、過度な金融引き締めを懸念する声がFRB内部で増えていることもあり、「政策判断はデータ次第で会合ごとに決定」するとの従来方針は維持されるとみられる。
結果、今年末の政策金利中央値は0.25ポイントの追加利上げ1回分を示唆することになりそうだ。
すなわち、前回6月時点での政策金利中央値である5.625%水準が維持されると考えられる。
仮に中央値がこれより高くなると、タカ派的と捉えられ、株式市場はネガティブに反応する可能性があろう。
来年末の政策金利中央値が市場想定程には利下げを示唆しない場合もタカ派に受け止められる可能性はある。
ただ、こちらは今後のデータ次第で大きく変化する可能性が高いため、市場が素直にそのまま解釈する可能性は低く、今年末の政策金利中央値の方が攪乱要因になりそうだ。
19日、米10年債利回りは遂に8月22日に付けた高値を上回ってきており、金利動向に対する警戒感は一段と高まっている。
FOMCの結果を受けて金利がさらに上値を追うような展開になると、株式市場の調整色が強まりそうで注意が必要だ。
(仲村幸浩)
日経平均;33122.21;-120.38TOPIX;2414.36;-15.94
[後場の投資戦略]
本日の東京株式市場は前日の米株式市場と同様、重要イベント前の様子見ムードから動意に乏しい展開となっている。
米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果は日本時間21日午前3時頃に公表される予定。
今会合では、米連邦準備制度理事会(FRB)
が政策金利を据え置くことはほぼ確実とされている。
一方、四半期に一度の最新の経済・政策金利見通しが公表される予定で、今年末および来年末の政策金利中央値が注目される。
金利先物市場では年内の追加利上げの織り込みが4割程度にとどまり、来年末時点については0.25ポイントの利下げ2-3回分の実施を織り込んでいる。
しかし、足元の原油市況の上昇を受けて、最新の8月分の米国の消費者物価指数
(CPI)および卸売物価指数(PPI)は総合指数では予想を上回り、モメンタムを示す前月比では前の月から大きく加速した。
また、19日に発表されたカナダの8月CPIは前年同月比+4.0%と7月(+3.3%)を大幅に上回り、市場予想(+3.8%)も超過した。
上昇率は4月以来の大ききで、鈍化傾向にあったインフレは再び大きく加速に転じた。
これを受け、短期金融市場が織り込む10月のカナダの金融政策会合での追加利上げの確率は、CPI発表前の3割程度から5割程度にまで上昇した。
こうした中、FRBは引き続きインフレとの戦いが終了したなどと、市場が喜ぶような姿勢を打ち出せるわけは当然ないと思われる。
一方で、過度な金融引き締めを懸念する声がFRB内部で増えていることもあり、「政策判断はデータ次第で会合ごとに決定」するとの従来方針は維持されるとみられる。
結果、今年末の政策金利中央値は0.25ポイントの追加利上げ1回分を示唆することになりそうだ。
すなわち、前回6月時点での政策金利中央値である5.625%水準が維持されると考えられる。
仮に中央値がこれより高くなると、タカ派的と捉えられ、株式市場はネガティブに反応する可能性があろう。
来年末の政策金利中央値が市場想定程には利下げを示唆しない場合もタカ派に受け止められる可能性はある。
ただ、こちらは今後のデータ次第で大きく変化する可能性が高いため、市場が素直にそのまま解釈する可能性は低く、今年末の政策金利中央値の方が攪乱要因になりそうだ。
19日、米10年債利回りは遂に8月22日に付けた高値を上回ってきており、金利動向に対する警戒感は一段と高まっている。
FOMCの結果を受けて金利がさらに上値を追うような展開になると、株式市場の調整色が強まりそうで注意が必要だ。
(仲村幸浩)