[9日 ロイター] - 9日のニューヨーク株式市場で、ソフトバンクグループ傘下の英半導体設計大手アームの株価が一時約3%上昇し、55.8ドルを付けた。アームの新規株式公開(IPO)で引受機関になっていた大手行の投資判断が一斉に解禁され、「買い」推奨が相次いだことが理由。
買いを表明した大手行にはJPモルガンやゴールドマン・サックスなどが含まれ、ロイヤルティー料の引き上げとクラウドや自動車分野でのシェア拡大を通じて増収を図るアームの計画に「お墨付き」が与えられた形だ。
これまで投資判断を提示していた金融機関の間では、アームの先行きに懐疑的な見方が優勢で、3社が「ホールド」、1社は「強い売り」を推奨していた。
9日時点のアームの目標株価については、シティやドイツ銀行、TDコーエンなどの間で57―85ドルに設定され、最も強気だったのはローゼンブラット・セキュリティーズだった。この日投資判断を開始した少なくとも17社の平均は63.50ドルとなった。アームの公開価格は51ドル。
シティは、アームは最も急速に成長する大手半導体メーカーの一角を占める可能性があり、2027年度までの年間売上高伸び率は18%で推移すると予想した。
アーム株は0.3%高の54.25ドルで9日の取引を終えた。