[プラハ 1日 ロイター] - ドイツ自動車大手フォルクスワーゲン(VW)のオリバー・ブルーメ会長は1日、チェコなど東欧4カ国で検討している4番目の電池セル生産工場の候補地決定について、改めて延期する考えを表明した。電気自動車(EV)需要が期待ほど高まっていないことを理由に挙げた。
VWは既に電池セル生産工場として、ドイツのザルツギッター、スペインのバレンシア、カナダのセントトーマスの3カ所を選定。完成すれば最大で年間合計200ギガワット時の生産能力が備わる。
ただチェコとハンガリー、ポーランド、スロバキアを念頭に考えていた第4の工場設立地は1年前から決める時期を先送りし続けている。
ブルーメ氏は「欧州で電池式EVの市場が思うように拡大していないなどの環境を踏まえ、今のところさらなる工場設立を決定する経済合理性はない」と語った。
これを受けチェコ政府は、VWの電池工場向けに用意していた用地を別の事業者に提供する手続きに入ったと発表した。フィアラ首相は「このプロジェクトのために用地を手元にとどめ続けることは不可能だ」と述べた。