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投資ファンドのMBK、TASAKIを5億ドル以上で売却へ=関係者

発行済 2023-11-02 15:32
更新済 2023-11-02 15:37

Julie Zhu Makiko Yamazaki Kane Wu

[香港/東京 2日 ロイター] - 投資ファンドのMBKパートナーズが、宝飾品大手TASAKI(兵庫県神戸市)の売却手続きを進めていることが分かった。売却価格は5億ドル(約750億円)以上になる見込みだ。事情を知る関係者3人が明らかにした。

うち2人によると、売却のためのアドバイザーに大和証券を選定。既に一次入札は終わり、次の入札のプロセスに入っている。

買い手候補には複数のアジアの投資会社が挙がっている。

TASAKIはロイターの取材に、「現時点で確認できる事実はない」と回答した。MBKと大和証券はコメントを控えた。

TASAKIは1954年、神戸市で養殖真珠の加工販売を開始。今は日本、アジア、欧州に100店舗以上を構える。

MBKは2008年、中国産真珠との価格競争で業績が悪化した田崎真珠(12年にTASAKIへ社名変更)に約70億円を出資。15年にいったん株式を売却して多額の利益を得たが、17年にTASAKIの意思決定迅速化と海外展開を支援するため、約315億円で完全買収した。

MBKは、菓子類を扱うゴディバジャパン(東京都港区)や介護事業のツクイホールディングス(神奈川県横浜市)など、これまで多くの日本企業に投資している。

TASAKIを巡っては、人権団体のヒューマンライツ・ナウとジャスティス・フォー・ミャンマーが21年、米国の制裁対象となったミャンマー真珠公社との取り引きを停止するよう求めた。国軍系企業との取引は、ミャンマーの軍事政権支援につながると非難している。

前出の関係者の1人と別の関係者は、ミャンマー関連の取引を指摘されていることがネックとなり、買収候補者は限られる可能性があると指摘する。

TASAKIはロイターの取材に対し、ミャンマーに関する質問には回答しなかった。

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