Samrhitha A
[18日 ロイター] - 米アップルは18日、腕時計型端末「アップルウオッチ」の「シリーズ9」と「ウルトラ2」の米国での販売を今週から停止すると発表した。血中の酸素濃度を計測する機能を巡る特許紛争が原因。
米国際貿易委員会(ITC)が10月、この機能搭載のアップルウオッチについて、アップルが医療機器メーカーのマシモの特許を侵害しているとして輸入禁止命令を下しており、バイデン政権が25日までに覆すことができる。命令が維持されれば26日に発効する。
こうした中でアップルは21日からオンラインストアで、24日からは実店舗で販売を取りやめると明らかにした。
血中酸素濃度センサーを搭載していない機種の販売には影響しない。
またシリーズ9とウルトラ2は、米国以外では引き続き購入できる。
調査会社IDCのライアン・リース氏は販売停止について、「シリーズ8」と廉価版「SE」の在庫が十分にあることを理由に米年末商戦期間のアップルウオッチ販売に悪影響は及ばないと予想。輸入禁止が正式に決まれば1─2月に影響が本格化すると見込んだ。
「問題となっている血中酸素濃度計測技術を今後搭載できるのか、あるいは和解するか新たな解決策を見いだすかという問題がより重要になる」とした。
アップルはITCの決定は間違いで、覆す必要があると主張。裁判所に異議を申し立てる考えを示した。
ブルームバーグは18日、アップルの技術者が血中酸素濃度測定機能があるアップルウオッチのアルゴリズム変更に取り組んでいると報じた。酸素濃度の測定とデータ表示の方法を調整しているという。
報道によると、アップルの広報担当者は販売再開のための変更を承認する権限を持つ米税関当局に、変更案を提出するために取り組んでいると話した。
マシモの広報担当者はこの報道について、問題となっている特許はハードウエアも対象としており、アップルはハードウエアを変えるべきだとロイターに語った。
アップルは報道にコメントしていないが、先にアップルウォッチの販売継続に向け「技術的な選択肢」に取り組んでいると述べていた。ITCの輸入禁止命令が維持された場合、販売を再開できるよう「あらゆる策を尽くす」とした。