40%引きでご購読
新規!💥 ProPicksを手に入れ、S&P 500を1,183%を超える投資成績を実現した、戦略をご覧ください40%割引で開始

金融庁、損保大手4社に業務改善命令 保険料の事前調整問題で

発行済 2023-12-26 15:56
更新済 2023-12-26 16:00
© Reuters.  12月26日、金融庁は、企業向け保険料を事前に調整していた問題で、損害保険大手4社に業務改善命令を出した。写真は都内で2012年10月撮影(2023年 ロイター/Kim Kyung

Ritsuko Shimizu

[東京 26日 ロイター] - 金融庁は26日、企業向け保険料を事前に調整していた問題で、損害保険大手4社に業務改善命令を出した。事前の価格調整といった不適切行為などが行われた保険契約者は576先に上った。複数の損保に同時に行政処分を出したのは、保険金不払いが問題となった2007年3月以来約16年ぶり。

業務改善命令を受けたのは東京海上日動火災保険、損害保険ジャパン、三井住友海上火災保険、あいおいニッセイ同和損害保険。

複数の損保が共同で1つの保険契約を引き受ける共同保険で、事前に価格調整が行われていた可能性があるとし、金融庁は、保険業法に基づく報告徴求命令を出し、少なくとも過去5年間の調査を行うよう各社に指示。金融庁は報告の分析を行っていた。

その結果、複数で事前に保険料の価格調整を行っていたとし、業務改善計画を2024年2月末までに提出し、直ちに実行することを求めた。中間的な検討状況は24年1月末までに報告する。業務改善計画では、経営責任の所在の明確化、共同保険を含む企業保険分野の適正な競争実施のための環境整備、コンプライアンスやガバナンス態勢の抜本的な強化などを盛り込むように求めている。金融庁は追加的な調査も2月末までに実施するよう求めている。

損保4社からの報告によると、少なくとも1社から不適切行為があるとされた保険契約者が576先あったという。こうした行為に及んだ理由については、幹事やシェアなどの現状維持のためとの回答が50%を占めたほか、他社からの打診、より有利な条件で契約するためなどの回答が続いた。

2017年頃から自然災害が頻発・激甚化し、損保業界では火災保険の赤字が常態化。そのため、保険料収入から利益重視に移行する中で、更改契約を落とすことができないというプレッシャーが強まっていったことも価格調整の背景のひとつになった。金融庁によると、17年から20年にかけて、保険料の調整が始められたケースが多かった。

鈴木俊一金融相は26日の閣議後会見で「新規契約が難しいなか営業担当者が利益の増加を強く求められたことや、コンプライアンスや顧客保護を軽視する文化が組織全体にある」として「悪質性が高い」と指摘した。

独占禁止法違反の疑いについては、公正取引委員会が立ち入り検査などを実施し、調査を進めている。

行政処分を受け、MS&ADインシュアランスグループホールディングスは、傘下の三井住友海上火災保険とあいおいニッセイ同和損害保険に関し、「業務改善命令を厳粛に受け止め、全力を挙げて改善・再発防止に取り組む」とのコメントを公表した。損害保険ジャパン、東京海上日動火災保険も、「全社をあげて改善と再発防止に取り組む」としている。

最新のコメント

当社アプリをインストール
リスク開示書: 金融商品や仮想通貨の取引は投資金額を失う高いリスクがあります。仮想通貨の価格は非常にボラティリティーが高く、金融、規制、政治など、外的な要因に影響を受けることがあります。また信用取引はリスクが高いことを十分に理解してください。
金融商品または仮想通貨の取引をする前に、金融市場での取引に関わるリスクやコストについて十分に理解し、専門家の助言を求めたり、ご自身の投資目的や経験値、リスク選好等を注意深く検討することを推奨いたします。
Fusion Media によるこのウェブサイトのデータが、必ずしもリアルタイムおよび正確ではないということをご了承ください。またデータや価格が、必ずしも市場や取引所からではなく、マーケットメーカーにより提供されている場合があります。その為、価格は気配値であり、実際の市場価格とは異なる可能性があります。Fusion Media および当ウェブサイトへのデータの提供者は、当ウェブサイトに含まれる情報を利用したすべての損失に対して一切の責任を負わないものとします。
Fusion Media およびデータ提供者による事前の書面の許可なしに、当ウェブサイト上のデータを使用、保存、複製、表示、変更、送信、配信することを禁じます。すべての知的財産権は当ウェブサイト上のデータの提供者、または取引所が有します。
Fusion Media は当ウェブサイトに表示される広告により報酬を得ることがあります。
上記内容は英語版を翻訳したものであり、英語版と日本語版の間に不一致がある時は英語版が優先されます。
© 2007-2024 - Fusion Media Limited. 無断複写・転載を禁じます