Blake Brittain
[26日 ロイター] - 米アップルは26日、腕時計型端末「アップルウオッチ」最上位機種の米国への輸入禁止を命じた米国際貿易委員会(ITC)の決定を不服として上訴した。バイデン米政権が拒否権を行使しなかったことを受けた措置。
ITCは血中酸素濃度を計測する機能搭載のアップルウオッチに特許を侵害されたとする医療機器メーカーのマシモの申し立てを認め、輸入禁止を命じていた。
ITCの命令は26日に発効し、血中酸素濃度を計測する機能を採用したアップルウオッチの輸入、販売を禁止。アップルは2020年に売り出したシリーズ6からこの機能を用いている。
アップルは現行機種のシリーズ9とウルトラ2の販売を先週から中止している。アップルウオッチSEは禁止の対象にならない。
米通商代表部(USTR)は26日、タイ代表は慎重に協議した結果、禁止命令を撤回しないことを決めたと発表。ITCの決定が同日確定した。
アップルはまた、連邦巡回区控訴裁判所に対し禁止令の停止を要請。少なくとも税関・国境取締局がマシモが申し立てている特許侵害を巡り判断を下すまで一時停止するよう求めた。税関・国境取締局は1月12日に判断を下す。
アップルは声明で「当社はITCの決定とその結果の排除命令に強く反対し、アップルウオッチのシリーズ9とウルトラ2をできるだけ早く米国の顧客に販売再開するためにあらゆる手段を講じている」と表明した。
アップルの広報担当者は、ワシントンの連邦巡回控訴裁判所(高裁)に上訴したことを認めた。アップル側は上訴手続き期間中の輸入禁止命令の一時差し止めを要求していたが、ITCが先週却下していた。 マシモは26日、コメント要請にすぐには応じなかった。