[ニューヨーク 9日 ロイター] - 米国株式市場ではS&P総合500種とダウ工業株30種が反落して取引を終えた。今週のインフレ統計発表を控え、投資家が今年予想される米利下げの時期や規模を見極めようとする中、米国債利回りが上昇したことが重しとなった。
CMEのフェドウォッチによると、市場は3月に少なくとも25ベーシスポイント(bp)の利下げが行われる確率を65.7%と予想しており、1週間前の79%から低下。米10年債利回りは9日の取引で一時4.053%に上昇した。
今週は米国債入札や消費者物価指数(CPI)、卸売物価指数(PPI)の発表を控える。また、12日からはJPモルガンなどの銀行を皮切りに決算シーズンが始まる。
インガルス&スナイダーのシニアポートフォリオストラテジスト、ティム・グリスキー氏は「米連邦準備理事会(FRB)が何をするかしないかは全て憶測であり、債券市場は3月の利下げ開始を予想して明らかに先走りした」と指摘。FF金利先物は企業決算や経済指標次第で変動するとし、市場は先手を打とうとしていると述べた。
ナスダック総合は終盤に切り返し、プラス圏で取引を終えた。
S&Pの主要11セクターは大半が下落。エネルギーの下げが目立った。一方、情報技術は上昇した。
アトランタ地区連銀のボスティック総裁は8日、インフレ抑制を確実に継続させるため、引き締めの姿勢を崩していないと強調した。一方、FRBのボウマン理事はインフレ率低下に伴い最終的に利下げを支持する意向を示唆した。
航空機大手ボーイングは1.41%安と続落。
通信機器のジュニパー・ネットワークスは21.81%急伸。ヒューレット・パッカード・エンタープライズ(HPE)が130億ドルでの買収に向けて協議していると関係筋が明らかにした。
ニューヨーク証券取引所では値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を2.1対1の比率で上回った。ナスダックでも1.7対1で値下がり銘柄が多かった。
米取引所の合算出来高は105億6000万株。直近20営業日の平均は123億株。
*情報を追加し表を更新しました
終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード
ダウ工業株30種 37525.16 -157.85 -0.42 37523.55 37552.38 37373.30
前営業日終値 37683.01
ナスダック総合 14857.71 +13.94 +0.09 14744.13 14894.32 14716.71
前営業日終値 14843.77
S&P総合500種 4756.50 -7.04 -0.15 4741.93 4765.47 4730.35
前営業日終値 4763.54
ダウ輸送株20種 15512.30 -133.66 -0.85
ダウ公共株15種 900.36 -4.40 -0.49
フィラデルフィア半導体 4064.65 +2.18 +0.05
VIX指数 12.76 -0.32 -2.45
S&P一般消費財 1391.47 -1.89 -0.14
S&P素材 528.28 -5.86 -1.10
S&P工業 947.20 -2.30 -0.24
S&P主要消費財 769.84 +1.85 +0.24
S&P金融 627.82 -4.36 -0.69
S&P不動産 248.49 -1.84 -0.73
S&Pエネルギー 629.29 -10.40 -1.63
S&Pヘルスケア 1637.63 +0.67 +0.04
S&P通信サービス 247.71 +0.32 +0.13
S&P情報技術 3357.51 +8.53 +0.25
S&P公益事業 327.71 -2.50 -0.76
NYSE出来高 8.87億株
シカゴ日経先物3月限 ドル建て 33920 + 160 大阪比
シカゴ日経先物3月限 円建て 33885 + 125 大阪比