[17日 ロイター] - 2023年の世界のスマートフォン出荷台数で米アップルが韓国サムスン電子を抜き、首位に立ったことが市場調査会社IDCの報告書で分かった。サムスンが首位から陥落するのは13年ぶり。
IDCの報告書によると、23年の市場シェアはアップルが20.1%、サムスンが19.4%、中国の小米科技(シャオミ)が12.5%、中国のOppo(オッポ)が8.8%、中国のトランシオンが8.1%。
市場シェアの変化の背景には、消費者がスマートフォンのアップグレードを控えたことに加え、高インフレと経済不安を背景に安価な端末を選択する傾向があったことが挙げられる。また、世界最大のスマートフォン市場である中国の回復が予想以上に遅かったことも影響した。
IDCのワールドワイド・トラッカー・チームのリサーチ・ディレクター、ナビラ・ポパル氏は「下半期には新興市場での急成長に後押しされ、トランシオンやシャオミのような低価格のアンドロイド系のメーカーの力強い成長も見られたが、最大の勝者は明らかにアップルだった」と述べた。
23年の出荷台数はアップルの「iPhone(アイフォーン)」が3.7%増加した一方、サムスンの携帯電話は13.6%減少した。
調査会社カナリスのアンバー・リウ氏は「サムスンは収益性を重視して中・高価格帯に注力したが、低価格帯でシェアを落とした」としている。
ただ、アップルは中国で華為技術(ファーウェイ・テクノロジーズ)のほか、他の低価格ブランドとの競争に直面。アップルは
顧客を引き付けるために一部の機種に5%の割引を提供するなどしている。