Stephen Nellis
[1日 ロイター] - 米アップルが1日発表した第1・四半期(2023年12月30日まで)決算は、利益と売上高が市場予想を上回った。iPhoneの売り上げ増が追い風となった。
ただ、中国の不調により今四半期(1─3月)にiPhone売上高が減少し、全体の売上高も市場予想を下回るとの見通しを示した。中国市場でiPhoneが、折り畳み式や中国の華為技術(ファーウェイ)製スマートフォンに押されているとの一部アナリストの懸念を裏付けた。
アップル株は引け後の時間外取引で3%下落した。
第1・四半期の売上高は1195億8000万ドル、1株当たり利益は2.18ドル。LSEGのまとめたアナリスト予想はそれぞれ1179億1000万ドル、2.10ドルだった。全体の売上高は2%増となり、5四半期ぶりの増収となった。
iPhoneの売上高は6%増の697億ドルで、市場予想の678億2000万ドルを上回った。インストールベースのデバイス数は22億台に達し、1年前の20億台から増加した。
一方、中国の売上高は208億2000万ドルで、アナリスト予想の235億3000万ドルを下回った。
ティム・クック最高経営責任者(CEO)はロイターのインタビューで、「中国以外の新興国市場でiPhoneが特に好調な2桁の伸びを示した」と述べた。
中国については世界で最も競争の激しいスマートフォン市場であり、それは変わっていないと語った。為替レートを考慮すると、中国本土でのiPhone売上高は1桁台半ばの減少だったという。
<売上高見通しさえず>
アップルのルカ・マエストリ最高財務責任者(CFO)は今四半期(1─3月)の売上高について、前年同期より少なくとも50億ドル減少すると予想。前年は新型コロナウイルス流行に伴う工場閉鎖で取り崩しが進んだ在庫を補充するためiPhone販売を加速させたという。
同期の売上高が約900億ドル、iPhone売上高が約460億ドルになるとの見通しを示唆した。売上高の市場予想は960億ドル。iPhone売上高は市場予想が500億ドル、前年実績は510億ドルで、CFOが示した見通しでは第2・四半期としてコロナ禍のロックダウン(都市封鎖)があった20年3月以来の低水準となる。
<サービス事業は予想下回る>
中国と日本以外のアジア地域では、アップルの売上高は101億6000万ドルに達し、アナリスト予想の97億5000万ドルを上回った。クック氏によると、韓国でiPhone売上高が過去最高を記録した。
第1・四半期における最大の成長分野はアップルTV+(プラス)、音楽、iCloudストレージ、アップストアを含むサービス事業で、売上高は11%増の231億2000万ドルだった。アナリスト予想は233億5000万ドルだった。
DAダビッドソンのアナリスト、ギル・ルリア氏は「重要なサービス事業は予想をわずかに下回ったが、この事業は引き続き最も重要な成長原動力であるため投資家にとって最も気になる項目だろう」とコメントした。
パソコン「Mac」の売上高は77億8000万ドルと微増で、アナリスト予想の77億3000万ドルとほぼ一致。タブレット端末「iPad」の売上高は25%減の70億2000万ドルで、予想の73億3000万ドルを下回った。
アップルが需要低迷を警告していたワイヤレスイヤホン「エアポッズ」と「アップルウオッチ」を含むウエアラブル部門の売上高は119億5000万ドルに減少。予想の115億6000万ドルを上回った。