[東京 8日 ロイター] - 午前の東京株式市場で日経平均は、前営業日比618円50銭高の3万6738円42銭と、大幅反発して取引を終えた。市場で注目度が高まっていた日銀の内田真一副総裁の講演でマイナス金利を解除しても、どんどん利上げをしていくようなパスは考えにくいなどと同氏が発言したことが支援材料となった。前引け間際に日経平均は一時621円超高まで上昇した。前日の米市場でのハイテク株高の流れを引き継ぎ、指数寄与度の大きい半導体関連株などが上昇し、相場を押し上げた。
日経平均は前営業日比138円高と、底堅くスタート。ハイテク株の上昇が指数を押し上げ、寄り付き後も上げ幅を拡大した。内田日銀副総裁は、マイナス金利解除後も緩和的な金融環境を維持することになるとの見通しを示した。日経平均は前場後半にかけて騰勢を強め、市場では「政策金利をプラス圏に引き上げることには慎重な姿勢が示され、好感されたようだ」(国内信託銀・チーフストラテジスト)との見方が聞かれた。
岩井コスモ証券の投資調査部部長、有沢正一氏は「足元の日経平均は年初からの急ピッチな上昇による反動でスピード調整が入っていたが、その調整も一巡したようだ」とみる。今後の日本株は「企業業績がしっかりしていることから上値を試しやすい」(有沢氏)といい、昨年来高値(3万6984円51銭)が意識されやすいという。
TOPIXは0.46%高の2561.74ポイントで午前の取引を終了。東証プライム市場の売買代金は2兆7821億1900万円だった。東証33業種では、輸送用機器、その他金融、その他製品など15業種が値上がり。一方、電気・ガス、繊維、陸運など18業種は値下がりした。
個別では、東京エレクトロンが2%超高、アドバンテストが7%超高と堅調。ソフトバンクグループは9%超高と大幅上昇し、日経平均を129円ほど押し上げた。
一方、三菱UFJフィナンシャル・グループ、みずほフィナンシャルグループ、三井住友フィナンシャルグループはそれぞれ1%超安となった。
プライム市場の騰落数は、値上がり455銘柄(27%)に対し、値下がりが1157銘柄(69%)、変わらずが45銘柄(2%)だった。