David Shepardson
[ワシントン 23日 ロイター] - 米国の自動車業界団体である米自動車工業会(AAM)は23日、米政府は低コストの中国の自動車・部品のメキシコからの輸入を阻止すべきだと訴え、これは米国メーカーの存続を脅かす恐れがある問題だと警鐘を鳴らした。
AAMは報告書で「低価格の中国の自動車が入ってくれば、最終的には米自動車セクターが消滅するほどの事態となる可能性がある」と指摘。中国に本社を置く企業がメキシコで生産した自動車と部品が、北米自由貿易協定(NAFTA)の恩恵を享受できないように、米国は取り組まなければならないと主張した。
メキシコで生産された自動車と部品はNAFTAに基づく優遇措置を受けることができる上、米国の電気自動車(EV)購入者に適用される最大7500ドルの税額控除の対象となる。
この問題は、中国のEV大手BYD(比亜迪)がメキシコでの工場開設を計画しているとの報道を受け、関心が高まった。低価格モデルで知られるBYDは車種を増やしており、このほど販売台数で米テスラを抜いて世界最大のEVメーカーとなった。
米議会では超党派の議員団がバイデン政権に対し、中国製自動車に対する関税を引き上げるとともに、中国企業がメキシコから米国に自動車を輸出することを防ぐ方法を検討するよう求めている。