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USスチール買収、米同業が低価格で再検討も 日鉄計画破談なら

発行済 2024-03-15 07:56
更新済 2024-03-15 08:36
© Reuters.

Anirban Sen

[ニューヨーク 14日 ロイター] - 米鉄鋼大手クリーブランド・クリフスのローレンソ・ゴンサルベス最高経営責任者(CEO)は14日、日本製鉄による141億ドルでのUSスチール買収計画が破断になれば、USスチールへの買収再提案を検討する意向だと明らかにした。提示額は1株当たり30ドル以下になる可能性が高いとした。

ロイターのインタビューで、クリーブランド・クリフスは引き続き全米鉄鋼労働組合(USW)の支持を得ているとし「日本は(米国の)友人ではない」ため、日鉄によるUSスチール買収は阻止されるべきだと述べた。

また、日本は鉄鋼貿易において中国より悪質とし、「米国で鉄鋼のダンピングを続けている。日本の鉄鋼貿易に対する関税が継続されるよう取り組むつもりだ。関税を撤廃すれば、われわれを苦しめるだけだ」と語った。

バイデン米大統領は14日、USスチールは米国内で所有・運営される企業であり続けなければならないとし、日鉄による買収に反対する姿勢を示した。

ゴンサルベス氏はUSスチールに再び買収を提案する場合の提示額について、1株当たり30ドルを上回らない可能性があるとした。これは日鉄案を少なくとも45%下回るほか、クリーブランド・クリフスが昨年12月に示した現金と株式による買収案(1株当たり54ドル)も大幅に下回ることになる。

同氏は「30ドルは非常に良いオファーだと思う」と述べた。1株30ドルの場合、USスチールの評価額は67億ドルになる。

日鉄によるUSスチール買収が昨年12月に発表されて以降、米与野党の上院議員からは、国家安全保障上の懸念や両社が鉄鋼労組と事前に協議しなかったことなどを巡り批判の声が上がっている。

11月の大統領選でバイデン氏と対決するトランプ前大統領は、当選すれば買収を阻止すると述べている。

USスチールと日鉄はロイターのコメント要請に現時点で応じていない。

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