■中期経営計画
同社グループは、新たに2018年3月期を最終年度とする「バリューアップ・キョクヨー2018」(数値目標:売上高260,000百万円、営業利益5,000百万円、ROE10%超)を発表している。
(1)基本方針及び数値目標 基本方針として、「魚に強い総合食品会社として、収益基盤の安定化と変化への対応力を高め、新たな価値を創造する企業を目指す」ことを掲げているが、同時に下記の3つの戦略を実行していく方針だ。
○グローバル戦略 ・国内マーケットの更なる拡大及び海外販売戦略の強化 ・海外生産拠点の分散及び拡大 ○シナジー戦略 ・調達から加工、販売までのグループネットワーク化 ・グループ企業間の相互補完 ・総合力を発揮し全体規模の拡大及び利益の最大化 ○差別化戦略 ・お客様目線を意識した付加価値商品の開発及び差別化 ・「安心、安全、おいしい、健康」をキーワードに新たな価値を提供 (2)事業セグメント別の施策 また各事業セグメントでは以下のような重点施策を掲げている。
(水産商事) ・サプライヤーとの持続的な関係強化 ・質の高い水産物の安定供給及び取扱い魚種の拡大 ・付加価値商品の製造及び販売 ・海外拠点の拡充及び海外マーケットの積極的開拓 (冷凍食品) ・家庭用冷凍食品の規模拡大 ・海外生産拠点の分散及び拡大による最適化 ・塩釜新工場による付加価値商品の製造及び販売 (常温食品) ・独自性のある商品開発力及び提案力の向上 ・ECサイトの積極的な活用 ・効率的生産体制の構築によるアイテムの充実 (鰹・鮪) ・生産拠点の整備拡充及び海外への販路拡大 ・海外まき網船の効率的運航及び付加価値製品の生産 ・「本鮪の極」のブランド力強化 ・クロマグロ完全養殖の事業化に向けた安定供給体制の構築 (物流サービス) ・安定貨物の確保及び収益の拡大 ・物流事業の再構築によるコスト削減及び事業拡大 ・冷蔵運搬船の年間契約航路確保による安定収益の維持 以上のように極洋 (T:1301)は新しい中期経営計画に沿って事業を進めているが、今期の予想が下方修正されたことを考えると2018年3月期に目標利益を達成するのは容易ではないかもしれない。
しかし定量的な目標を達成することだけが中期経営計画の目的ではない。
上記に掲げた施策を実行することで、企業の体質が変わることも重要であるので、今後の同社の動向には注目したい。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
(1)基本方針及び数値目標 基本方針として、「魚に強い総合食品会社として、収益基盤の安定化と変化への対応力を高め、新たな価値を創造する企業を目指す」ことを掲げているが、同時に下記の3つの戦略を実行していく方針だ。
○グローバル戦略 ・国内マーケットの更なる拡大及び海外販売戦略の強化 ・海外生産拠点の分散及び拡大 ○シナジー戦略 ・調達から加工、販売までのグループネットワーク化 ・グループ企業間の相互補完 ・総合力を発揮し全体規模の拡大及び利益の最大化 ○差別化戦略 ・お客様目線を意識した付加価値商品の開発及び差別化 ・「安心、安全、おいしい、健康」をキーワードに新たな価値を提供 (2)事業セグメント別の施策 また各事業セグメントでは以下のような重点施策を掲げている。
(水産商事) ・サプライヤーとの持続的な関係強化 ・質の高い水産物の安定供給及び取扱い魚種の拡大 ・付加価値商品の製造及び販売 ・海外拠点の拡充及び海外マーケットの積極的開拓 (冷凍食品) ・家庭用冷凍食品の規模拡大 ・海外生産拠点の分散及び拡大による最適化 ・塩釜新工場による付加価値商品の製造及び販売 (常温食品) ・独自性のある商品開発力及び提案力の向上 ・ECサイトの積極的な活用 ・効率的生産体制の構築によるアイテムの充実 (鰹・鮪) ・生産拠点の整備拡充及び海外への販路拡大 ・海外まき網船の効率的運航及び付加価値製品の生産 ・「本鮪の極」のブランド力強化 ・クロマグロ完全養殖の事業化に向けた安定供給体制の構築 (物流サービス) ・安定貨物の確保及び収益の拡大 ・物流事業の再構築によるコスト削減及び事業拡大 ・冷蔵運搬船の年間契約航路確保による安定収益の維持 以上のように極洋 (T:1301)は新しい中期経営計画に沿って事業を進めているが、今期の予想が下方修正されたことを考えると2018年3月期に目標利益を達成するのは容易ではないかもしれない。
しかし定量的な目標を達成することだけが中期経営計画の目的ではない。
上記に掲げた施策を実行することで、企業の体質が変わることも重要であるので、今後の同社の動向には注目したい。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)