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ケンコーマヨ Research Memo(3):2025年3月期中間期は価格改定効果や生産効率の向上などにより大幅増益に

発行済 2024-12-24 12:03
更新済 2024-12-24 12:15
© Reuters.
*12:03JST ケンコーマヨ Research Memo(3):2025年3月期中間期は価格改定効果や生産効率の向上などにより大幅増益に ■ケンコーマヨネーズ (TYO:2915)の業績動向

1. 2025年3月期中間期の業績概要
2025年3月期中間期の連結業績は、売上高で前年同期比6.1%増の46,455百万円、営業利益で同308.0%増の3,194百万円、経常利益で同286.3%増の3,272百万円、親会社株主に帰属する中間純利益で同314.1%増の2,246百万円と増収増益となり、中間期として過去最高業績を更新した。


売上高は前年同期に鶏卵不足による販売制限の実施で落ち込んでいたタマゴ加工品が前年同期比26.9%増の11,360百万円と急回復したことが主な増収要因となった。
販路別では外食業界向けがインバウンド需要の拡大もあって同10.0%増となったほか、量販店向けが同7.7%増、コンビニエンスストア(以下、CVS)が同4.0%増とそれぞれ堅調に推移した。
また、給食事業者向けも新規顧客の開拓が進んだことで同14.8%増と好調に推移した。
一方、製パン事業者向けは同1.9%減と若干ながら減少に転じた。
前期にタマゴ加工品の販売制限を実施していた影響で、既存顧客のうち他社への切り替えや内製化にシフトした顧客が一定数発生したことが要因だ。


営業利益は前年同期比で2,411百万円の増益となった。
増減要因を見ると価格改定効果で1,035百万円、数量増効果で161百万円、鶏卵相場の下落を主因とした原材料コストの低減で775百万円、生産効率の向上で654百万円の増益要因となり、人件費の増加や経営基盤強化のための費用など固定経費の増加213百万円を吸収した。
価格改定に関しては、2023年7月以降にロングライフサラダや和惣菜の値上げを実施しており、その効果が出た。
2025年3月期は価格改定の予定はない。
また、生産効率の向上に関しては販売制限解除によってタマゴ加工品の製造ラインの稼働率が回復したことが主な要因となっている。



調味料・加工食品事業が大幅増益、総菜関連事業等も堅調持続

2. 事業セグメント別動向
(1) 調味料・加工食品事業
調味料・加工食品事業の売上高は前年同期比7.3%増の36,721百万円、セグメント利益は同744.0%増の2,670百万円となった。
売上高は外食市場の拡大を追い風に連続増収となり、利益面では前述のとおり価格改定効果や原材料コスト低減、生産効率の向上などによって大幅増益となった。


商材別の売上動向を見ると、タマゴ加工品が前下期からの販売制限解除の流れを受けて急回復した。
外食業界でタマゴ加工品のメニューが増加したほか、タマゴサラダがCVSや製パン事業者向けに好調だった。
マヨネーズ・ドレッシング類は同1.3%増の13,825百万円と堅調に推移した。
外食や量販店向けにマヨネーズが増加したほか、「薫るトリュフ」シリーズが外食業界向けに好調だった。
同シリーズは手軽にメニューに高級感や付加価値を付与でき、様々な料理で活用できる汎用性の高さが評価され、採用が拡がった。
一方、サラダ・総菜類は同0.9%減の10,658百万円と若干の減収となった。
小容量サイズの商品は引き続き好調だったものの、前年同期に販売制限していたタマゴ加工品の代替メニューとして伸びていたポテトサラダが反動減となった。
その他の売上高は、冷凍ポテトや冷凍サツマイモを中心に同1.8%増の876百万円と堅調に推移した。


(2) 総菜関連事業等
総菜関連事業等の売上高は前年同期比2.3%増の9,300百万円、セグメント利益は同1.0%増の448百万円となった。
前期に引き続きおつまみ惣菜などマーケットイン発想による商品化や販売カテゴリーの拡大に取り組んだほか、宅配企業への販路拡大が進んだことも増収要因となった。
利益面では、高付加価値商品の開発・販売や商品の統廃合、NB商品の強化に取り組んだことで人件費の増加を吸収し、増益を確保した。


(3) その他
その他には連結子会社サラダカフェで展開するサラダ専門店の収益に加えて、海外事業の持分法投資損益が利益に含まれている。
店舗数が前年同期比1店舗減の12店舗となったことで、売上高は同4.4%減の433百万円と減少したものの、経費抑制や商品力の強化に取り組んだことや、2024年8月に実施した価格改定の効果によりセグメント利益は同280.7%増の1百万円となった。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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