*11:00JST 米『中国軍事力報告書』の「汚職摘発で中国軍事力向上」指摘は国防費獲得のため(2)【【中国問題グローバル研究所】
◇以下、中国問題グローバル研究所のホームページ(※1)でも配信している「(1)【中国問題グローバル研究所】」の続きとなる。
◆憤慨する中国
中国のネットには、米・国防総省が予算獲得のために「中国の脅威」を手段として使うことに対する憤慨が数多く見られる。
特に、上記の「1」や「4」にあるように、アメリカは、習近平が2027年までに台湾を武力攻撃するというデマを拡散させて国防予算を獲得しようとしたり、日本を煽って日本の国防費を増額させようと画策したりしてきた。
このことは2023年2月15日のコラム(※7)に基づいて行われており、要点は以下のようなものである。
●米軍の2025年の軍事予算は9000億ドルと巨額であるものの、実際に装備品調達に使われる部分は比較的少なく、約1675億ドルで、全体のわずか20%にも満たない。
●中国の軍事予算は約3000億ドルと言われているけれど(ストックホルム国際平和研究所が推測した中国の2023年の軍事費)、その30%~40%は装備品調達に使われているようなので、米軍の装備品調達費は中国やロシアよりも低いか、トントンくらいだ。
●予算要求では、戦闘機や装甲車、軽火器など、米軍のさまざまな装備品の具体的な購入額が詳しく紹介されているが、国防産業部門の単価の高さには驚く。
これは今後数年間で米軍の軍事力が徐々に縮小していくだろうことを示唆している。
(動画の概要は以上)
となると、まさにイーロン・マスクが指摘した通り、米国の国防総省の予算は「無駄が多く、非効率的だ」ということになる。
国防総省はそれを知っているので、イーロン・マスクがどのように言うかを見届けてから発表しようとして、今年は「報告書」の発表を遅らせたのではないだろうか。
ご参考までに書くと、この年次報告(『中国軍事力報告書』)はここのところ、
「2020年9月1日/2021年11月3日/2022年11月29日/2023年10月19日/2024年12月18日」という日時で発表されている。
例年に比べると、今年はいやに遅い。
きっとイーロン・マスクが「政府効率化省」で何をするかを見届けたかったために遅れたのにちがいない。
なお、「報告書」が指摘する「汚職摘発で中国の軍事力が向上している可能性」は薄く、中国の腐敗は「底なしか」と筆者は思っている。
それに関しては、機会があれば別途考察を試みたい。
この論考はYahoo!ニュース エキスパート(※8)より転載しました。
写真: 米・国防総省が発表した年次報告2024『中国軍事力報告書』のカバー
(※1)https://grici.or.jp/
(※2)https://grici.or.jp/4015
(※3)https://www.12371.cn/2020/10/29/ARTI1603964233795881.shtml
(※4)https://mil.huanqiu.com/article/4Kj5IuAVPuh
(※5)https://www.guancha.cn/internation/2024_12_19_759324.shtml
(※6)https://www.bilibili.com/video/BV15CqNYzErK/
(※7)https://comptroller.defense.gov/Budget-Materials/Budget2025/
(※8)https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/937e0f78070679355f75b0cfea4625e69c145fc8
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◆憤慨する中国
中国のネットには、米・国防総省が予算獲得のために「中国の脅威」を手段として使うことに対する憤慨が数多く見られる。
特に、上記の「1」や「4」にあるように、アメリカは、習近平が2027年までに台湾を武力攻撃するというデマを拡散させて国防予算を獲得しようとしたり、日本を煽って日本の国防費を増額させようと画策したりしてきた。
このことは2023年2月15日のコラム(※7)に基づいて行われており、要点は以下のようなものである。
●米軍の2025年の軍事予算は9000億ドルと巨額であるものの、実際に装備品調達に使われる部分は比較的少なく、約1675億ドルで、全体のわずか20%にも満たない。
●中国の軍事予算は約3000億ドルと言われているけれど(ストックホルム国際平和研究所が推測した中国の2023年の軍事費)、その30%~40%は装備品調達に使われているようなので、米軍の装備品調達費は中国やロシアよりも低いか、トントンくらいだ。
●予算要求では、戦闘機や装甲車、軽火器など、米軍のさまざまな装備品の具体的な購入額が詳しく紹介されているが、国防産業部門の単価の高さには驚く。
これは今後数年間で米軍の軍事力が徐々に縮小していくだろうことを示唆している。
(動画の概要は以上)
となると、まさにイーロン・マスクが指摘した通り、米国の国防総省の予算は「無駄が多く、非効率的だ」ということになる。
国防総省はそれを知っているので、イーロン・マスクがどのように言うかを見届けてから発表しようとして、今年は「報告書」の発表を遅らせたのではないだろうか。
ご参考までに書くと、この年次報告(『中国軍事力報告書』)はここのところ、
「2020年9月1日/2021年11月3日/2022年11月29日/2023年10月19日/2024年12月18日」という日時で発表されている。
例年に比べると、今年はいやに遅い。
きっとイーロン・マスクが「政府効率化省」で何をするかを見届けたかったために遅れたのにちがいない。
なお、「報告書」が指摘する「汚職摘発で中国の軍事力が向上している可能性」は薄く、中国の腐敗は「底なしか」と筆者は思っている。
それに関しては、機会があれば別途考察を試みたい。
この論考はYahoo!ニュース エキスパート(※8)より転載しました。
写真: 米・国防総省が発表した年次報告2024『中国軍事力報告書』のカバー
(※1)https://grici.or.jp/
(※2)https://grici.or.jp/4015
(※3)https://www.12371.cn/2020/10/29/ARTI1603964233795881.shtml
(※4)https://mil.huanqiu.com/article/4Kj5IuAVPuh
(※5)https://www.guancha.cn/internation/2024_12_19_759324.shtml
(※6)https://www.bilibili.com/video/BV15CqNYzErK/
(※7)https://comptroller.defense.gov/Budget-Materials/Budget2025/
(※8)https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/937e0f78070679355f75b0cfea4625e69c145fc8
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