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アデランス Research Memo(4):女性向けアデランス事業とフォンテーヌ事業でトップシェアを誇る

発行済 2016-06-01 17:21
更新済 2016-06-01 17:33
アデランス Research Memo(4):女性向けアデランス事業とフォンテーヌ事業でトップシェアを誇る
ADRNF
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■2016年2月期決算分析 (2)アデランスのウィッグ販売方法と現状分析 アデランス (T:8170)は、国内女性向けウィッグ商品として、オーダーメイド・ウィッグ(アデランス事業)とレディメイド・ウィッグ(フォンテーヌ事業)の両方を展開しており、それぞれの分野でトップシェアを有している。
同社はこれらを製品特性に合わせて異なる販売方式で販売しているが、基本的に店頭においてカウンセリング販売を行う点では共通している。
2016年2月末現在、国内に428店舗を構えている。
オーダーメイド・ウィッグのマーケティング手法は「ダイレクトレスポンス」と呼ぶ方法と展示会方式の2本立てとなっている。
ダイレクトレスポンスはテレビ等でCMを投下し、それに反応して同社に問い合わせの電話をしてきた顧客に販売するというものだ。
サロンと呼ぶ直営店舗においてカウンセリングを重ねて販売している。
一方、展示会方式とは百貨店の催事場において「レディスアデランス」ブランドのオーダーメイド・ウィッグの試着体験・相談会を催して集客を行い、販売につなげるというものだ。
2016年2月期は、ダイレクトレスポンスにおける電話問い合わせが激減した。
端的に言えばテレビCMの効果が低下したことになるが、その原因については同社も完全には把握できていない。
前述の新規顧客売上高の減少は、ダイレクトレスポンスの低下にその一因を求めることができる。
同社は展示会方式についても販売力の低下を感じている。
同社は展示会方式を年間約400回開催するが、会場となる百貨店は全国に約130店舗しかない。
したがって1店舗当たり年間2、3回の展示会を行っていることになる。
これが消費者への訴求力低下につながって売り上げの低下を招いている可能性がある。
レディメイド・ウィッグは百貨店、直営店、及びGMS/スーパーという3つのルートを通じた店舗販売を行っている。
ルート別売上構成比は百貨店ルートが約80%と圧倒的に高く、直営店、GMS/スーパーの順で続いている。
主力の販売商品は“フォンテーヌ”ブランドのレディメイド・ウィッグで中心価格帯は前述のように10万円~15万円となっている。
GMS/スーパー向けには“スワニー by フォンテーヌ”という価格帯を2万円~3万円に引き下げた商品を供給している。
最近では、同社もTVショッピングやカタログ通販などで低価格帯のレディメイド・ウィッグを販売している。
この際に自社店舗で使用できるメンテナンスクーポンを同封し、顧客を店頭に誘導して販売につなげるオムニチャネル化に向けた施策も開始している 2016年2月期の同社の苦戦は、オーダーメイドとレディメイドの両方のウィッグ製品が同時に大幅減収となったことが要因だ。
前述のように、新興勢力の製品は基本的にレディメイド・ウィッグであるため、オーダーメイド・ウィッグは本来無関係なように思えるが、実はそうではない。
当初からオーダーメイド・ウィッグを利用しようとする顧客層は一定数存在しており、ここは問題が少ない。
しかし、多くの顧客はまずはレディメイド・ウィッグを使用し、その後オーダーメイド・ウィッグにステップアップするという流れを歩む。
すなわちレディメイド・ウィッグの新規顧客獲得でつまずくとオーダーメイド・ウィッグの事業にも影響が及ぶという構図になっている。
これが今の同社の苦境の背景だ。
(3)女性向けウィッグ販売の回復シナリオ 弊社では、同社が女性向けウィッグ事業でシェアを回復し、市場自体の成長速度と同じかそれ以上の成長を達成することは十分可能だと考えている。
その具体的な施策として弊社が期待するのが“2週目作戦”だ。
これは、他社製(特に新興勢力の低価格品)のレディメイド・ウィッグユーザーに対してウィッグのカットやサイズ調整、修理などのメンテナンス・サービスを提供し、その過程で同社製品のユーザーへと転化させる作戦を言う。
初めてレディメイド・ウィッグを購入するのを1週目としたら、買い替え需要は2週目となり、そこで顧客を獲得しようという作戦だ。
「アフターサービス」と「リピート需要」はウィッグという商品の重要な本質だと弊社では考えている。
にもかかわらず、アフターサービスの体制を十分に整えている新興勢力は現実的に存在していない。
店舗投資や人材育成などが必要になるが、それだけの体力や本気度を有する企業が極めて少ないためだ。
全国約400店を有する同社はこの点で極めて有利な位置にある。
“2周目作戦”は弊社の造語だが、同趣旨の施策を同社が本格的に行う見通しだ(2016年4月の原稿執筆時点)。
2016年2月期の下期において、同社店頭に他社製品のメンテナンスを受け入れる旨の表示をしたところ、想像以上のレスポンスが得られたため、今期から本格的に展開する計画だ。
具体的には、新聞・テレビ等のメディアを通じて、他社製品の下取りキャンペーンやメンテナンスを受け付ける告知を大規模に展開するとしている。
初のケースゆえ消費者への浸透に時間がかかる可能性もあるが、成功する可能性が高いと弊社ではみている。
弊社では、新興勢力の台頭は必ずしもマイナスばかりではないと考えている。
理由は、低価格のレディメイド・ウィッグが新興各社から提供されたことで、ウィッグ利用者が増加したと考えられる。
ウィッグ利用者数の底上げは、本来は同社を含む2大企業にその役割を期待していたが、結果的には新興勢力が肩代わりしたという見方ができよう。
その過程で売り上げを落としたのは同社にとっては残念な結果であったが、上述の2週目作戦が奏功して他社製品ユーザーの取り込みに成功すれば、結果的にタイミングの後ズレという形で事態の解決を図ることは十分可能だと弊社では考えている。
レディメイド・ウィッグでの回復は、オーダーメイド・ウィッグの新規顧客の回復にも好影響をもたらすと弊社ではみている。
そのロジックは前述のとおりだ。
レディメイドとオーダーメイドとではマーケティング手法が異なるため、オーダーメイドの販売手法を見直すことも重要なことであるのは疑いない。
しかし前述のように、レディメイドからオーダーメイドへのステップアップという流れができていることを考えると、オーダーメイド・ウィッグの回復にはレディメイド・ウィッグの回復こそが最短の道だと弊社では考えている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)

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