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日本調剤 Research Memo(8):調剤市場はこれまでの成長率を維持すると20年度には10兆円規模に

発行済 2016-06-07 16:13
更新済 2016-06-07 16:33
日本調剤 Research Memo(8):調剤市場はこれまでの成長率を維持すると20年度には10兆円規模に
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■日本調剤 (T:3341)の成長戦略と投資の視点 (4)投資の視点 証券市場において、ヘルスケアセクターは重要な位置を占め続けており、今後もそれは変わらないと考えられる。
ヘルスケアセクター内でのサブセクターもしくは個別銘柄の選好という点では、医薬品メーカーや医療機器メーカーが大きなポジションを占めてきた。
そうしたなか、調剤薬局株がヘルスケアセクター内で存在感を増していく可能性があると弊社では考えている。
その理由として下記に述べるような3点を挙げることができる。
a)調剤市場自体の成長 厚労省によれば、2013年度の国民医療費40兆610億円で、そのうち薬局調剤医療費は7兆380億円と推計されている。
2003年度から2013年度までの10年間の年平均成長率は6.2%であった。
仮に2013年度を起点に年間5%成長が続くと仮定すると、2020年度には薬局調剤医療費が10兆円規模になる。
これは立派な成長市場と言える。
b)業界再編による大手薬局チェーンのシェア拡大による企業価値向上 約7兆円の調剤市場には全国57,000店の保険薬局がひしめいているという状況だ。
このうち大手薬局チェーン10社の売上高合計は7,000億円超で、市場シェアは約10%程度と見られている。
前述のように、国は薬局の将来像として、高度な機能を有した「かかりつけ薬局」として地域のインフラになることを求めている。
この過程で57,000店舗の大多数を占める中小薬局の立ち位置を大手薬局チェーンが占めていくことが予想される。
c)病院から薬局への付加価値の移転と病院に対する代替投資としての機能 国民医療費の約70%は医科診療医療費、すなわち病院関連が占めている。
しかしながら国の大きな方針として“医薬分業”と在宅医療の推進があることは前述のとおりだ。
入院患者への投薬を例にとると、現状は病院内で投薬されるため、医科診療医療費に含まれている。
しかし在宅医療が進展すると、こうした患者は自宅においてかかりつけ薬剤師の管理の下で投薬され、薬局調剤医療費に含まれることになる。
a)で述べた調剤市場の成長が加速する可能性もある。
また、日本では株式会社による病院経営が認められていないため、病院への株式投資はできない。
病院への投資の代替策として調剤薬局への投資が注目される可能性もある。
以上のような大手調剤チェーン業界全体の成長シナリオに加えて、同社独自の要因もある。
調剤薬局事業については、前述した個々の店舗ベースでの強い収益力に高い魅力度があると言える。
また、医薬品製造販売事業も大きな魅力の1つだ。
国が強力に推進するジェネリック医薬品に特化している点が強みだ。
医療従事者派遣・紹介事業も含めた同社の事業ポートフォリオ全体が国の推進する施策と足並みをそろえている点が、他社との差別化要因、かつ、投資を考える上での大きな魅力的ポイントと言えるだろう。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)

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