今日の欧米市場では、ドル・円は上昇基調の継続を予想したい。
今晩発表の米国の11月雇用統計は堅調な内容が予想されており、連邦準備制度理事会(FRB)の12月利上げを見込んだドル買いで115円を試す可能性がある。
先日発表された11月のADP全米雇用統計(民間雇用者数)は前月比+21.6万人と、増加幅が7月以降で初めて20万人台に乗せた。
米FRBの12月利上げがほぼ確実視されるなか、雇用統計の前哨戦と位置づけられるADP統計の強含みで、今晩発表の11月雇用統計の堅調な内容が期待されている。
失業率は4.9%(前月4.9%)、非農業部門雇用者数は前月比+18.0万人(同+16.1万人)が市場コンセンサス。
予想を大きく下回らなければドル買いに振れやすい地合いは続く見通し。
雇用統計発表後はFRB理事のブレイナード氏が22時45分に、タルーロ氏が日本時間3日3時からそれぞれ発言する機会があり、注目されそうだ。
両理事はいずれも連邦公開市場委員会(FOMC)メンバーの中ではハト派寄りとされており、13-14日のFOMC会合に向け、利上げに前向きな見解が示されれば、ドル買いにつながりやすい。
逆に、足元の急激なドル高をけん制するような発言でもあれば、ドル売りになる可能性がある。
一方、4日(日)に実施されるイタリアの憲法改正の是非を問う国民投票が、イベント・リスクとして意識されやすい。
改憲案が否決されればレンツィ首相が退陣する可能性があり、ユーロ圏の金融システム不安に発展する可能性が警戒されており、思惑先行でリスク回避的な円買いがある程度強まる可能性もあろう。
【今日の欧米市場の予定】
・18:30 英・11月建設業PMI(予想:52.2、10月:52.6)
・19:00 ユーロ圏・10月生産者物価指数(前年比予想:-1.0%、9月:-1.5%)
・22:30 米・11月非農業部門雇用者数(予想:+18.0万人、10月:+16.1万人)
・22:30 米・11月失業率(予想:4.9%、10月:4.9%)
・22:30 米・11月平均時給(前年比予想:+2.8%、10月:+2.8%)
・22:30 カナダ・11月失業率(予想:7.0%、10月:7.0%)
・22:45 ブレイナード米FRB理事あいさつ
・03:00 タルーロ米FRB理事講演(金融安定化会議)