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欧米為替見通し:ドル・円は上げ渋りか、米雇用統計後の長期金利・株価動向にらみ

発行済 2018-10-05 17:25
更新済 2018-10-05 17:40
欧米為替見通し:ドル・円は上げ渋りか、米雇用統計後の長期金利・株価動向にらみ
5日の欧米外為市場では、ドル・円は上げ渋る展開を予想したい。
イタリア財政政策への過度の懸念が後退するなか、米国の9月雇用統計を受け長期金利や株価が落ち着けば円買いは後退しよう。
ただ、引き続き米中関係の対立が懸念され、ドル・円の重しになりそうだ。


前日は米10年債利回りが2011年以来の高水準となって対欧州通貨などでドル買いを誘発したものの、長期金利の急上昇を嫌気した株式市場では売りが優勢となり、ドル・円は114円を割り込む展開となった。
一方、ドル独歩高を背景にトルコリラなど新興国通貨の下げが目立ち、安全資産買いの流れで米10年債利回りは徐々に低下するなど、やや不安定な動きがみられた。
本日のアジア市場では、日経平均株価の軟調地合いがある程度織り込まれていたため、円買いはそれほど強まらず、ドル・円の下げは限定的となった。
また、イタリア財政懸念がやや後退し、ユーロ売りもいったん収束したようだ。


こうしたなか、今晩は21時半発表の米国の9月雇用統計が注目される。
市場予想は、非農業部門雇用者数が前月比+18.5万人(8月+20.1万人)、失業率は3.8%(8月3.9%)、平均賃金は前年比+2.8%(8月+2.9%)。
前回は2001年以来の低水準となったU6失業率がさらに低下すれば、潜在的な失業者の減少で消費のすそ野が広がり、景気拡大への寄与が見込まれる。
雇用統計を受け長期金利や株価が落ち着いた動きをみせれば、ドル買い・円売り基調に戻るだろう。
反面、中国によるマイクロチップを使った米国企業へのハッキング行為が前日から問題視されており、通商摩擦に発展するとの思惑が円買いにつながる可能性もある。
(吉池 威)

【今日の欧米市場の予定】
・21:30 米・9月非農業部門雇用者数(予想:+18.5万人、8月:+20.1万人)
・21:30 米・9月失業率(予想:3.8%、8月:3.9%)
・21:30 米・9月平均時給(前年比予想:+2.8%、8月:+2.9%)
・21:30 米・8月貿易収支(予想:-536億ドル、7月:-501億ドル)
・21:30 カナダ・9月失業率(予想:5.9%、8月:6.0%)
・21:30 カナダ・8月貿易収支(予想:-5億加ドル、7月:-1.1億加ドル)
・01:30 カプラン米ダラス連銀総裁質疑応答
・01:40 ボスティック米アトランタ連銀総裁講演(金融教育関連会合)
・04:00 米・8月消費者信用残高(予想:+150億ドル、7月:+166.4億ドル)


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