■要約
エラン (T:6099)は、病院や老人介護保健施設等の入院患者・入所者が、身の回り品を準備しなくても「手ぶらで入院・入所」「手ぶらで退院・退所」できるように、衣類・タオル類などの洗濯サービス付レンタル、口腔ケア商品・スキンケア商品一式、紙オムツなど、入院・入所生活に必要な日常生活用品をセットにしたCS(ケア・サポート)セットのサービス(以下CSセット)を提供している。
1. 入院CSセットを組織的にビジネス展開したパイオニアかつ最大手
入院CSセットを組織的にビジネス展開したパイオニアかつ最大手である。
CSセットのビジネスモデルは、病院や老人介護保健施設等を通じて、同社が入院患者や入所者とCSセット利用契約(レンタル契約)を結び、入院患者や入所者から受け取るサービス利用料(レンタル料)収入が同社の売上高となる。
オペレーションの一部は、業務委託契約を結んだ病院・老人介護保健施設等及びリネンサプライ業者・消耗品業者等が行う。
契約施設数の積み上げに伴ってサービス利用者数が増加するストック型収益モデルであることも特徴だ。
2. 入院患者、病院等の施設、リネンサプライ業者等と「Win-Win-Win」の関係を構築
同社のCSセットは、サービスを利用する入院患者・入所者とその家族、病院・老人介護保健施設等、リネンサプライ業者等、いずれにとってもメリットがあり、同社を中心に安心・快適な入院生活をサポートする「Win-Win-Win」の関係を構築している。
3. 契約施設数及び月間利用者数は増加基調
契約施設(病院・老人介護保健施設等)数及び月間利用者数は増加基調である。
契約施設数は2016年12月期末に764施設(前期末比120施設・18.6%増加)となり、月間利用者数は2016年12月(単月)に120,026人(前年同月比30,201人・33.6%増加)となった。
2009年12月期末を起点にすると、2016年12月期の契約施設数は年率30.3%の増加率、2016年12月の月間利用者数は年率36.1%の増加率となる。
4. 2016年12月期業績は計画超の大幅増収増益
2016年12月期業績(非連結)は、売上高が前期比26.6%増の11,407百万円、営業利益が同25.1%増の736百万円、経常利益が同26.7%増の749百万円、当期純利益が同37.9%増の500百万円だった。
契約施設数及び月間利用者数が順調に増加して計画超となり、10期連続の増収増益だった。
5. 2017年12月期業績は先行投資負担で小幅増益予想だが、大幅増収基調に変化なし
2017年12月期業績(非連結)予想は、売上高が前期比20.1%増の13,700百万円、営業利益が同1.9%増の750百万円、経常利益が同1.8%増の763百万円、当期純利益が同1.1%増の505百万円としている。
先行投資負担などで小幅増益予想だが、契約施設数及び利用者数が順調に増加しており大幅増収基調に変化はないようだ。
6. 認知度が向上してCSセットは普及ステージに入り、顧客開拓余地は大きい
同社がメインターゲットとする市場は、ベッド数50床以上の病院及び老人介護保健施設等である。
2016年12月期末の全国の顧客開拓率は病院8%、介護老人保健施設2%である。
いずれの分野でもCSセットは普及ステージに入ったばかりであり、顧客開拓余地は大きいと言えるだろう。
7. エルタスクを子会社化、グループ全体で3,000施設を目指す
2017年2月に(株)エルタスクを子会社化した。
グループ全体で契約施設数を2017年月期末に1,000施設、2019年12月期末までに1,500施設を達成し、長期ビジョンでは3,000施設を目指すとしている。
営業利益率は長期目標として10%を目指す。
8. 利益還元は総合的に勘案して決定、配当性向は順次引き上げ
2016年12月期の配当は前期比6円増配の年間12円(配当性向は17.6%)とした。
2017年12月期の配当予想は前期比4円増配の年間16円(予想配当性向は23.5%)としている。
■Key Points
・入院CSセットを組織的にビジネス展開したパイオニアかつ最大手
・契約施設数及び利用者数は増加基調
・認知度が向上してCSセットは普及ステージに入り、顧客開拓余地は大きい
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田 雅展)
エラン (T:6099)は、病院や老人介護保健施設等の入院患者・入所者が、身の回り品を準備しなくても「手ぶらで入院・入所」「手ぶらで退院・退所」できるように、衣類・タオル類などの洗濯サービス付レンタル、口腔ケア商品・スキンケア商品一式、紙オムツなど、入院・入所生活に必要な日常生活用品をセットにしたCS(ケア・サポート)セットのサービス(以下CSセット)を提供している。
1. 入院CSセットを組織的にビジネス展開したパイオニアかつ最大手
入院CSセットを組織的にビジネス展開したパイオニアかつ最大手である。
CSセットのビジネスモデルは、病院や老人介護保健施設等を通じて、同社が入院患者や入所者とCSセット利用契約(レンタル契約)を結び、入院患者や入所者から受け取るサービス利用料(レンタル料)収入が同社の売上高となる。
オペレーションの一部は、業務委託契約を結んだ病院・老人介護保健施設等及びリネンサプライ業者・消耗品業者等が行う。
契約施設数の積み上げに伴ってサービス利用者数が増加するストック型収益モデルであることも特徴だ。
2. 入院患者、病院等の施設、リネンサプライ業者等と「Win-Win-Win」の関係を構築
同社のCSセットは、サービスを利用する入院患者・入所者とその家族、病院・老人介護保健施設等、リネンサプライ業者等、いずれにとってもメリットがあり、同社を中心に安心・快適な入院生活をサポートする「Win-Win-Win」の関係を構築している。
3. 契約施設数及び月間利用者数は増加基調
契約施設(病院・老人介護保健施設等)数及び月間利用者数は増加基調である。
契約施設数は2016年12月期末に764施設(前期末比120施設・18.6%増加)となり、月間利用者数は2016年12月(単月)に120,026人(前年同月比30,201人・33.6%増加)となった。
2009年12月期末を起点にすると、2016年12月期の契約施設数は年率30.3%の増加率、2016年12月の月間利用者数は年率36.1%の増加率となる。
4. 2016年12月期業績は計画超の大幅増収増益
2016年12月期業績(非連結)は、売上高が前期比26.6%増の11,407百万円、営業利益が同25.1%増の736百万円、経常利益が同26.7%増の749百万円、当期純利益が同37.9%増の500百万円だった。
契約施設数及び月間利用者数が順調に増加して計画超となり、10期連続の増収増益だった。
5. 2017年12月期業績は先行投資負担で小幅増益予想だが、大幅増収基調に変化なし
2017年12月期業績(非連結)予想は、売上高が前期比20.1%増の13,700百万円、営業利益が同1.9%増の750百万円、経常利益が同1.8%増の763百万円、当期純利益が同1.1%増の505百万円としている。
先行投資負担などで小幅増益予想だが、契約施設数及び利用者数が順調に増加しており大幅増収基調に変化はないようだ。
6. 認知度が向上してCSセットは普及ステージに入り、顧客開拓余地は大きい
同社がメインターゲットとする市場は、ベッド数50床以上の病院及び老人介護保健施設等である。
2016年12月期末の全国の顧客開拓率は病院8%、介護老人保健施設2%である。
いずれの分野でもCSセットは普及ステージに入ったばかりであり、顧客開拓余地は大きいと言えるだろう。
7. エルタスクを子会社化、グループ全体で3,000施設を目指す
2017年2月に(株)エルタスクを子会社化した。
グループ全体で契約施設数を2017年月期末に1,000施設、2019年12月期末までに1,500施設を達成し、長期ビジョンでは3,000施設を目指すとしている。
営業利益率は長期目標として10%を目指す。
8. 利益還元は総合的に勘案して決定、配当性向は順次引き上げ
2016年12月期の配当は前期比6円増配の年間12円(配当性向は17.6%)とした。
2017年12月期の配当予想は前期比4円増配の年間16円(予想配当性向は23.5%)としている。
■Key Points
・入院CSセットを組織的にビジネス展開したパイオニアかつ最大手
・契約施設数及び利用者数は増加基調
・認知度が向上してCSセットは普及ステージに入り、顧客開拓余地は大きい
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田 雅展)