[ワシントン 9日 ロイター] - イエレン米財務長官は9日、世界銀行は気候変動など世界的な課題に対処するため「より大胆で想像力に富んだ」措置を打ち出す必要があるとの考えを示した。
「世界は変化しており、(世銀など)重要機関も同時に変化する必要がある」とし、「貧困削減や経済発展の持続的な進展は、われわれ全員が直面する世界的課題への取り組みなしには不可能だ」と述べた。
現行の多国間開発銀のモデルでは各国が国内投資の資金を借り入れることはできるが、最貧国が最も大きな打撃を受けるパンデミック(世界的流行)や気候変動などへの対処には不十分だと指摘。
貧困削減と繁栄の共有という世銀の目標について世界的な課題を優先する構想が必要だと訴えた。
各国による世界的課題への対応を支援する低利、ゼロ金利の融資を特定するよう米財務省が世銀に要請しているとし、こうした融資が石炭火力発電所の廃止やクリーンエネルギーへの移行期の失業者保護に寄与する可能性があると述べた。
世銀の資金力を強化する必要があるとも強調。20カ国・地域(G20)向けに昨年策定された報告書には劣後債の試験的発行など有望な案が盛り込まれたとした上で、民間資本や国内資源の呼び込み強化も重要だと述べた。