[20日 ロイター] - 岸田文雄首相は20日、訪問先のインドで講演し、2030年までにインド太平洋地域へ官民合わせて750億ドル以上を投じると表明した。日本の政府開発援助(ODA)を戦略的に活用し、外交的な取り組みを強化するとも語った。
岸田首相は同日、モディ首相と会談。その後、インド政府系シンクタンクのインド世界問題評議会(ICWA)で講演し「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」のための日本の新たなプランを示した。
岸田首相は、ロシアのウクライナ侵略に対する各国の態度がさまざまであったことを例に、国際秩序の在り方について「皆が受け入れられるような考え方が欠如している」と指摘。「自由」と「法の支配」を重んじるFOIPの考え方や目標がより重要になっていると訴えた。
その上で、今後は、1)平和の原則と繁栄のルール、2)インド太平洋流の課題対処、3)多層的な連結性、4)「海」から「空」へ拡がる安全保障・安全利用の取り組み──の4つを柱としてFOIP協力を拡充すると述べた。
首相は、各国で需要が強いインフラ整備には、民間投資や円借款などを活用すると表明。ODAについては、開発協力大綱を改定し、今後10年間の日本の指針を示すと明らかにした。ODAやその他公的資金を扱う機関同士の連携を強化し日本の強みを生かす「オファー型」協力を新たに打ち出すほか、投資を呼び込む「民間資金動員型」の無償資金協力の枠組みも導入するという。