[東京 26日 ロイター] - 日銀が26日公表した9月の企業向けサービス価格指数は、消費税を除くベースで前年比0.5%低下となり、前月の0.7%低下より下落率が縮小した。新型コロナウイルスの影響で大きく落ち込んでいた広告でマイナス幅が縮小したほか、「GoToトラベル」事業による需要喚起で宿泊需要がいくぶん回復した。
下落率の縮小に最も寄与したのは「広告」。前年比6.3%低下で、8月の9.1%低下からマイナス幅が縮小した。テレビ広告(スポット)は、自動車や日用品メーカーからの需要が寄与。インターネット広告では上期決算前の予算消化の動きを機に検索連動型広告の需要が増加した。新聞広告も不動産、住宅関連業種から単価の高い出稿が増えたという。
「諸サービス」も下落率の縮小に貢献した。GoToトラベルによる需要喚起で、北海道、東海、近畿を中心に宿泊需要がやや回復した。GOTOトラベルは企業向けサービス価格指数では宿泊料金の割引前の計数を集計しているため、割引部分は同指数に反映されていない。
一方、「情報通信」は前年比0.4%低下、「運輸・郵便」は同0.6%低下となった。
「運輸・郵便」のうち、国内航空旅客輸送がマイナス幅縮小。国内航空貨物輸送は減便による需給が逼迫する中、大型機材による運航が増えた結果、価格が値上がりした。
新型コロナが経済活動の抑制を通じてサービス価格全体の重しになっている大きな構図は変わらないものの、日銀の担当者は「5月をボトムにしてマイナス幅が縮小してきた流れが緩やかに続いている」と指摘。当面は宿泊サービスや国内航空旅客輸送が国や地方の支援策によりどの程度回復してくるのか、広告の回復ペースが続くのか注目されるとした。
消費税を含むベースでは前年比1.3%上昇、前月比0.1%上昇となった。8月確報は前年比1.1%上昇、前月比変わらずだった。
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