[ワシントン 8日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)のクック理事は8日、米国の家計、銀行、企業の財務状況はおおむね良好で、債務返済の資金は手元にあり、潜在的なショックを吸収するのに十分なバッファーを備えていると述べた。
ブルッキングス研究所で発表される金融安定性に関する報告書で、商業用不動産(CRE)の価値はパンデミック(世界的大流行)中の在宅勤務への移行により下落し、関連融資を多く抱える中小銀行グループにとっては「かなり大きな」リスクだが「管理可能」と指摘。注視している懸念事項として、消費者の自動車ローンやクレジットカードの滞納率の上昇が「直近の低水準からの正常化」を示しているのか、それとも一部の家計における過大なストレスを反映しているのかなどを挙げた。
またFRBの監督当局は、FRBの利上げを受けて一部資産の簿価が下落した銀行や、価値が下落した可能性のあるCREを担保とする多額の融資を抱える銀行などと「緊密に連携」しているとした。
クック理事は経済や金融政策に関してコメントしなかった。