[ムンバイ 4日 ロイター] - インド準備銀行(中央銀行)は4日、主要政策金利の引き上げを発表した。インフレ加速に対応し、6月の次の金融政策決定会合を待たず、利上げに踏み切った。
中銀の市中銀行向け貸し出し金利のレポレートを過去最低の4%から40ベーシスポイント(bp)引き上げ4.40%とした。
ダス総裁は「金融政策委員会は国内経済活動が概ね4月の想定通りに進展していると指摘した。一方でインフレの見通しは、供給側のショックが経済に及ぼす二次的影響を抑制し長期的インフレ見通しを揺るがないよう、毅然とした措置で適切かつ時宜を得た対応をすることを正当化すると判断した」と述べた。
中銀は、市中銀行が中銀に預け入れる資金の比率である現金準備率(CRR)を4%から50bp引き上げ4.50%とした。5月21日から実施する。
ダス総裁は、CRRの引き上げで、市場から8700億ルピー(114億ドル)程度の流動性を吸収することになると述べた。
緊急利上げを決定したものの、インド経済は成長が加速しているものの、引き続き逆風を受けているとして、成長支援に向け緩和的スタンスは維持する。
「きょうの金融政策対応は、インフレ押し下げとインフレ予想の固定を狙った措置で中期的成長見通しを強化することになる」と述べた。
3月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比で6.95%上昇と、1年5カ月ぶりの上昇率を記録。3カ月連続で中央銀行の許容範囲(2─6%)の上限を上回った。
ダス総裁は最近のインフレ高進は、国際食料価格の前例のない高騰に起因した食品の値上がりが主因だと指摘し、食品のインフレ圧力は持続するとの見方を示した。
アナリストの間では、6月の会合での利上げ予想が大勢だった。
キャピタル・エコノミストのシニアエコノミスト、シラン・シャー氏は「すでに今年の利上げについてコンセンサス予想より多い回数を予想していた。だがレポレートは、当社の今年末時点の予想の5.00%を上回りそうで、いまは5.65%まで上昇すると見ている」と述べた。