■今後の見通し
2. 成長戦略
システムサポート (T:4396)は今後の成長戦略として、成長が続くクラウドインテグレーション領域(ServiceNow、パブリッククラウド関連)を重点分野と位置付け、継続的な投資を行うことで年率2ケタ台の成長を目指していく方針だ。
また、ストック型ビジネスとなるデータセンターサービスなどのアウトソーシング事業やプロダクト事業についても、それぞれ着実に伸ばしていく計画となっている。
(1) ソリューション事業
a) ServiceNow関連
「ServiceNow」関連については企業のDX支援ソリューションとして今後も成長が続く見通しであり、同社は拡大する需要に対応するため、社内の人材育成により認定資格取得者数を増やしていくとともに、外部パートナーの拡充にも取り組んでいく方針だ。
ServiceNow, Inc.の発表によれば、2021年の売上高は前年比30%増の5,896百万ドル(うち、アジア他は39%増の593百万ドル)となり、2022年も20%台後半の高成長が続く見通しとなっている。
日本ではコロナ禍を契機として、ここ1~2年で急速に市場が拡大しており、同社の「ServiceNow」関連の売上高も2021年6月期は人材育成に取り組んだ効果もあり前期比64%増の1,169百万円と急成長した。
同社は国内でいち早くパートナー契約を締結し、積極的に拡販に取り組んできた実績が評価され、2017年に国内企業で初めて「Bronze Services Partner」※に認定されたほか、2019年には「Elite Partner」※に認定されている。
2022年2月時点で「Elite Partner」として認定されている日系企業は同社を含めて6社だが、今後これら「Elite Partner」やその他パートナーも含めて人材育成を進めていくことが予想される。
同社においてもいかに認定技術者を増やしていくことができるかが、今後の成長の鍵を握るものと弊社では見ている。
また、同社は競合との差別化戦略の1つとして、「ServiceNow」の標準機能を補完するアプリケーション(LINE連携機能など)の開発なども行っている。
※ServiceNowのパートナープログラムでの認定は顧客満足度や販売・導入実績などが基準となる。
なお同社は、国内でのServiceNow認定構築資格取得数は2021年9月末で2位となっている。
b) パブリッククラウド関連
パブリッククラウド関連では、Microsoft Azure やAWSに加えてGoogle Cloudの導入・利用支援も2020年より開始しており、企業のクラウドシフトの動きを追い風に、導入・利用支援案件を獲得し、売上成長を続けている。
同分野においても認定技術者の育成や外部パートナーを拡充することで受注能力を拡大していくほか、各クラウドのアカウントリセールやオプションサービスを開発・提供していくことで、ストック型収入を積み上げていく戦略だ。
また、同社は各クラウドプラットフォームを活用したソリューションも開発している。
2021年1月にはMicrosoft Azureを活用したデータウェアハウス(DWH※)ソリューション「Smart DWH」のSaaS版の提供を開始したほか、同年6月にはGoogle Cloudのサービスを活用した次世代データ分析基盤「ADDPLAT(アドプラット)」を開発、提供を開始している。
低コストかつ短期間でビッグデータ分析を行い、経営戦略やマーケティング施策に生かせるBIツールとなっていることが特徴だ。
こうしたソリューションを開発・提供していくことで売上成長を目指していく。
※DWHとは、業務上発生した取引記録などのデータを時系列に保管したデータベースのこと。
また、そのようなシステムを構築・運用・分析するためのソフトウェア。
c) ERP関連、データベース関連
ERP関連については「SAP ERP」の2027年の保守サポート切れを控えたERPの移行案件が目白押しとなっており、2027年までは10%前後の成長が続くものと予想される。
現在は現行システムである「SAP ERP」から次世代ソリューションの「SAP S/4 HANA」への移行を進める企業と、当面は「SAP ERP」を継続して使い続ける企業とに分かれており、双方の需要がある。
また、「SAP S/4 HANA」に関してはオンプレミス版とSaaS版で提供しており、オンプレミス版はAWSやGoogleのパブリッククラウド、SAPのプライベートクラウドなどで利用が可能なため、クラウドへの移行支援案件も多い。
「SAP ERP」に関しては同社と子会社のT4Cを合わせて技術者が約180名在籍しており、「SAP ERP」の主領域及び全階層(インフラ、ミドルウェア、アプリケーション)の開発に対応できるほか、SAP以外のERP製品の技術・ノウハウも有しており、顧客ニーズに応じて幅広く安定的なサービスを提供できることが強みとなっている。
2027年に向けた需要の高まりに対応すべく、今後も技術者の増員及び育成を図ると同時に、北陸地区で既存システムの保守サービス需要を取り込みながら着実な成長を目指していく方針だ。
なお、ERP利用支援の競合は多いが、大規模案件の場合はリスクを考慮して直接受注せず、NRI (T:4307)やアクセンチュアが元請けとなり、共同でプロジェクトを進めていくケースが多い。
一方、Oracleデータベース関連についても20年近くサービス提供を行っている豊富な実績があり、また、ここ最近はOracle Cloudのコンサルティングや導入・移行・利用支援サービスの需要も徐々に増加していることから、今後も安定成長が見込まれる。
同社ではOracle Cloudに対応する資格取得数を育成しながら、クラウドシフトの需要を取り込んでいく方針だ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
2. 成長戦略
システムサポート (T:4396)は今後の成長戦略として、成長が続くクラウドインテグレーション領域(ServiceNow、パブリッククラウド関連)を重点分野と位置付け、継続的な投資を行うことで年率2ケタ台の成長を目指していく方針だ。
また、ストック型ビジネスとなるデータセンターサービスなどのアウトソーシング事業やプロダクト事業についても、それぞれ着実に伸ばしていく計画となっている。
(1) ソリューション事業
a) ServiceNow関連
「ServiceNow」関連については企業のDX支援ソリューションとして今後も成長が続く見通しであり、同社は拡大する需要に対応するため、社内の人材育成により認定資格取得者数を増やしていくとともに、外部パートナーの拡充にも取り組んでいく方針だ。
ServiceNow, Inc.の発表によれば、2021年の売上高は前年比30%増の5,896百万ドル(うち、アジア他は39%増の593百万ドル)となり、2022年も20%台後半の高成長が続く見通しとなっている。
日本ではコロナ禍を契機として、ここ1~2年で急速に市場が拡大しており、同社の「ServiceNow」関連の売上高も2021年6月期は人材育成に取り組んだ効果もあり前期比64%増の1,169百万円と急成長した。
同社は国内でいち早くパートナー契約を締結し、積極的に拡販に取り組んできた実績が評価され、2017年に国内企業で初めて「Bronze Services Partner」※に認定されたほか、2019年には「Elite Partner」※に認定されている。
2022年2月時点で「Elite Partner」として認定されている日系企業は同社を含めて6社だが、今後これら「Elite Partner」やその他パートナーも含めて人材育成を進めていくことが予想される。
同社においてもいかに認定技術者を増やしていくことができるかが、今後の成長の鍵を握るものと弊社では見ている。
また、同社は競合との差別化戦略の1つとして、「ServiceNow」の標準機能を補完するアプリケーション(LINE連携機能など)の開発なども行っている。
※ServiceNowのパートナープログラムでの認定は顧客満足度や販売・導入実績などが基準となる。
なお同社は、国内でのServiceNow認定構築資格取得数は2021年9月末で2位となっている。
b) パブリッククラウド関連
パブリッククラウド関連では、Microsoft Azure やAWSに加えてGoogle Cloudの導入・利用支援も2020年より開始しており、企業のクラウドシフトの動きを追い風に、導入・利用支援案件を獲得し、売上成長を続けている。
同分野においても認定技術者の育成や外部パートナーを拡充することで受注能力を拡大していくほか、各クラウドのアカウントリセールやオプションサービスを開発・提供していくことで、ストック型収入を積み上げていく戦略だ。
また、同社は各クラウドプラットフォームを活用したソリューションも開発している。
2021年1月にはMicrosoft Azureを活用したデータウェアハウス(DWH※)ソリューション「Smart DWH」のSaaS版の提供を開始したほか、同年6月にはGoogle Cloudのサービスを活用した次世代データ分析基盤「ADDPLAT(アドプラット)」を開発、提供を開始している。
低コストかつ短期間でビッグデータ分析を行い、経営戦略やマーケティング施策に生かせるBIツールとなっていることが特徴だ。
こうしたソリューションを開発・提供していくことで売上成長を目指していく。
※DWHとは、業務上発生した取引記録などのデータを時系列に保管したデータベースのこと。
また、そのようなシステムを構築・運用・分析するためのソフトウェア。
c) ERP関連、データベース関連
ERP関連については「SAP ERP」の2027年の保守サポート切れを控えたERPの移行案件が目白押しとなっており、2027年までは10%前後の成長が続くものと予想される。
現在は現行システムである「SAP ERP」から次世代ソリューションの「SAP S/4 HANA」への移行を進める企業と、当面は「SAP ERP」を継続して使い続ける企業とに分かれており、双方の需要がある。
また、「SAP S/4 HANA」に関してはオンプレミス版とSaaS版で提供しており、オンプレミス版はAWSやGoogleのパブリッククラウド、SAPのプライベートクラウドなどで利用が可能なため、クラウドへの移行支援案件も多い。
「SAP ERP」に関しては同社と子会社のT4Cを合わせて技術者が約180名在籍しており、「SAP ERP」の主領域及び全階層(インフラ、ミドルウェア、アプリケーション)の開発に対応できるほか、SAP以外のERP製品の技術・ノウハウも有しており、顧客ニーズに応じて幅広く安定的なサービスを提供できることが強みとなっている。
2027年に向けた需要の高まりに対応すべく、今後も技術者の増員及び育成を図ると同時に、北陸地区で既存システムの保守サービス需要を取り込みながら着実な成長を目指していく方針だ。
なお、ERP利用支援の競合は多いが、大規模案件の場合はリスクを考慮して直接受注せず、NRI (T:4307)やアクセンチュアが元請けとなり、共同でプロジェクトを進めていくケースが多い。
一方、Oracleデータベース関連についても20年近くサービス提供を行っている豊富な実績があり、また、ここ最近はOracle Cloudのコンサルティングや導入・移行・利用支援サービスの需要も徐々に増加していることから、今後も安定成長が見込まれる。
同社ではOracle Cloudに対応する資格取得数を育成しながら、クラウドシフトの需要を取り込んでいく方針だ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)