[マンチェスター(英国) 1日 ロイター] - ジョンソン英首相は1日、欧州連合(EU)離脱協定案の代替策を近くEU側に正式提案すると明らかにした。離脱交渉の争点であるアイルランド国境問題の解決策 「バックストップ(安全策)」を協定案から削除することを目指す。
新提案は2日または3日に示される見通しだが、EU当局者はジョンソン首相の新提案が交渉の打開につながるかどうかについて懐疑的な見方を示している。
ジョンソン首相は「良好に前進している」とし、EUとの「合意に向け全力を尽くしている」と述べた。自身が実際には合意を望んでいないとの憶測については「決して真実ではない」とし、可能であれば17─18日に開催されるEU首脳会議で離脱協定の修正案で合意にこぎ着けたいと強調した。
これに対し、EU当局者はジョンソン首相の戦略を「神風特攻」のように無謀だと批判。「EU側には交渉の用意が整っている。英政府が目指す神風特攻のような手法はわれわれが選んだものではない」と述べた。
別の当局者も、英政府が大幅な修正を求めれば、新離脱協定での合意は困難になるとの見通しを示した。
ジョンソン首相は「われわれが望んでいるのはバックストップの削除で、最重要な問題」と改めて強調。また、英政府がアイルランドとの国境から8─16キロ離れた場所に「通関センター」を設置することをEUに提案しているとの報道を否定した。
新提案の詳細は公表されていない。
英ポンドは対ドルで3週間ぶり安値に沈んだ。