[オタワ 5日 ロイター] - カナダの野党「ケベック連合」の党首は5日、トルドー首相の施政方針演説で掲げられた優先課題を少なくとも当面は支持すると表明した。トルドー氏率いる少数与党政権は、10月の総選挙後に初めて迎えた政権運営上のハードルをひとまず乗り越えた。
10月の選挙では、トルドー氏の与党自由党が第1党を維持しながらも単独過半数を失った。このため、政権を維持し、法案を成立させるには野党のうち少なくとも1党の閣外協力を得る必要がある。[nL3N2770TK]
ジュリー・ペイエット・カナダ総督はトルドー政権の施政方針演説を代読し、「少数与党政権は政策実現能力がないとの見方が一部であるが、カナダの歴史はそうではないと証明している」と述べた。
施政演説を受けて、議会では信任投票が実施される可能性がある。
演説後、ケベック連合の党首イブ・フランソワ・ブランシェット氏は記者団に「演説ではケベック州に幾らかのメリットをもたらす多数の機会を見いだすことができたので、私はこれを支持する」と表明した。
自由党とケベック連合の下院議席数の合計は338と、過半数を確保している。
一方、左派寄りの新民主党(NDP)のジャグミート・シン党首は、施政方針には賛同できなかったと述べたが、信任投票で反対票を投じるとは明言しなかった。
最大野党・保守党のアンドリュー・シーア党首は演説に「非常に失望した」と述べ、トルドー政権を支持しない考えを示した。
トルドー氏は演説で、選挙戦の主要な公約だった気候変動対策や処方薬を対象とする国民皆保険制度の導入などを優先課題に掲げた。