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経済回復見通し不変、政策対応議論する段階にない=G20後に日銀総裁

発行済 2020-02-24 10:19
更新済 2020-02-24 10:21
経済回復見通し不変、政策対応議論する段階にない=G20後に日銀総裁

[リヤド 23日 ロイター] - サウジアラビアの首都リヤドで開催されていた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議が23日閉幕した[nL3N2AN0VL]。会議では、新型コロナウイルスの感染拡大による世界経済への影響を監視し、必要に応じ行動する用意があるとする共同声明を採択した。会議後に共同記者会見した黒田東彦日銀総裁と麻生太郎財務相はともに、日本が現時点で急いで政策対応する段階ではないとの認識を示した。

黒田日銀総裁は、新型ウィルスの問題が我が国の経済・物価および金融市場に与える影響については、最大限の注意を払っていくとしながらも、「現時点で金融政策面からの対応について具体的に議論する段階にはないと考えているが、必要があれば躊躇なく追加的措置を講じる考えだ」と述べた。

世界経済の見通しについて黒田総裁は国際通貨基金(IMF)の世界経済見通しに注目していると述べた。

IMFは最新の見通しで、2020年の世界経済の成長率は新型ウィルスの影響により0.1%下方修正されて3.2%としたばかりだが、同総裁はそれでも過去の平均程度であり、去年の2.9%から回復していくということだ、との認識を示した。

このため「日本経済を含め、これまでのベースラインの見方が大きく転換して、低下が止まらない、あるいは回復の時期がどんどん先送りになるとは今の時点で考えていない。ただ不確実性はある」との見方を示した。

麻生財務相は、新型コロナウィルスの経済への影響について、「どれくらいのものになってくるかよく見えていない。中国の(出している)数字もよくわからないところがある」と不透明感を強調した。

特に影響が懸念される自動車業界に関して、国内で部品を作る技術があるので各社はすでに対応しているとし、「今の段階で経済が急激にどうするこうするということはない」との考えを示した。

また、会議ではデジタル通貨などに関する議論も行われた。

巨大デジタル企業への課税を巡る国際ルールについて、経済協力開発機構(OECD)は年内合意を目指して取り組んでいる。しかし、米国が差別的な課税に反対、昨年末に「セーフハーバー」と呼ばれる企業の選択制などを提案し、議論が停滞している。

これに対し麻生太郎財務相は、米国の「セーフハーバー」案について「日本は強い懸念を有していると伝えた」ことを明らかにした。

また中央銀行によるデジタル通貨発行に関しては、同相は特に中国が発行すると中国国内だけで使われるのではなく、一帯一路(での使用)は話が複雑になるとの認識を示した。そのうで、マネーロンダリングへの悪用などで、世界経済が混乱することは避けるべきとした。

黒田総裁も、「中銀デジタル通貨に対する社会のニーズが急速に高まる可能性も考えられるので、そうした事態が仮に発生しても的確に対応できるよう、中央銀行としてしっかりとした備えをしていくことが大事だと思う」と述べた。

(木原麗花 日本語記事作成 中川泉 編集:石田仁志); ((leika.kihara@thomsonreuters.com; +8180-1319-3898)

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