[リヤド 24日 ロイター] - ムニューシン米財務長官は、中国を発生源とする新型コロナウイルスの感染拡大で米中の「第1段階」の通商合意に大きな影響は出ないと述べた。ただ今後新たな情報が出てくるに従い、状況が変化する可能性はあるとの見解を示した。
ムニューシン長官は23日夜、ロイターのインタビューに応じ、新型ウイルスの感染拡大は「人類の悲劇」としたものの、世界経済や企業の供給網に対する影響について判断するのは時期尚早と指摘。中国は対応に注力しているとし、第1段階の合意で確約した通りに米国のモノとサービスの輸入を拡大させると米政府は引き続き確信していると述べた。
その上で「第1段階の合意に波及的な影響が及ぶとは予想していない。現時点で判明していることなどに基づくと、大きな影響が出るとは考えていない」と指摘。「状況の展開次第で変わる可能性はある。向こう数週間で感染拡大に関するより多くの情報が得られるため、正確な検証が可能になる」と述べた。
感染拡大で中国との通商問題を巡る「第2段階」の合意に向けた交渉の開始が遅延する可能性はあるとしながらも、現時点では懸念していないとし、「(11月3日の)米大統領選挙前に合意できれば素晴らしい。合意が大統領選後になったとしても素晴らしい。いずれにしてもわれわれは圧迫を感じていない」と述べた。
これとは別に記者会見で、供給網に短期的な影響が出る可能性があると指摘。ただ大企業は常にリスクを検証し、供給網を調整していると述べ、こうしたことがグローバリゼーションに対する懸念の増大につながることに警戒感を示した。
ムニューシン長官はサウジアラビアで開かれた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議に出席。G20会議は23日、新型ウイルスの感染拡大による世界経済への影響を監視し、必要に応じ行動する用意があるとする共同声明を採択して閉幕した。