[台北 9日 ロイター] - 台湾で対中政策を担う大陸委員会のトップ、陳明通主任委員は9日、米大統領選で勝利した民主党のバイデン氏について、引き続き台湾を支持するとの認識を示した。トランプ政権はこれまで、台湾への武器売却を拡大するなど、中国に対抗する形で台湾支持の姿勢を鮮明にしてきた。
台湾の立法院(国会に相当)ではこの日、バイデン政権になると米国の台湾政策が変わるのではないか、との警戒感が広がった。一部の立法委員(議員)の間ではバイデン氏を「親中的」とする声も上がった。
こうした懸念に対して、陳主任委員は、米国の台湾への支持が根本的に変わるとは考えにくいと強調。「米国の大統領交代で心配する必要はない。バイデン氏の中国に対する戦術には一定の変化があるかもしれないが、対中戦略自体に変わりはないだろう」と述べた。
陳氏は、米国と台湾は同じ価値観を共有しているとし「(バイデン氏の)過去のコメントや台湾への支持を踏まえると、バイデン氏は台湾と米国の関係強化に引き続き取り組むことが見込まれる」と語った。
また、バイデン氏は「一般に親中的」とみられているが、中国を批判してもいると指摘した。