Gwladys Fouche Sabine Siebold
[オスロ 16日 ロイター] - 北大西洋条約機構(NATO)のバウアー軍事委員長は16日、弾薬などの価格が急騰し同盟の安全保障強化に悪影響をもたらしていると警鐘を鳴らした。その上で、防衛産業に対する民間の投資拡大を訴えた。
オスロで開かれた加盟国の軍高官による会合後、バウアー氏は「弾薬や装備の価格が跳ね上がり、全く同じ物に支払う代金が増え続けている」と指摘。「防衛支出の増加が実際の安保強化に確実につながるとは限らなくなっている」と懸念を示した。
ロシアによるウクライナ侵攻開始後の武器や装備品の需要急増を受け、ウクライナを支援するNATOは防衛関連の生産拡大を働き掛けてきた。
バウアー氏は「短期的な利益より長期的な安定を優先させる必要がある」と主張。防衛産業への投資が民間部門にとって、戦略的利益をもたらすと強調した。
とりわけ懸念されているのが、ウクライナが1日に1万発を撃つ155ミリ口径砲弾の不足。NATOのストルテンベルグ事務総長は2月、ウクライナが西側諸国での生産を大きく上回るペースで砲弾を消費していると警告していた。