[ティラナ(アルバニア) 16日 ロイター] - 欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員長は16日、西バルカン6カ国のEU加盟について、まず6カ国が改革を実行し、独自の単一市場を創設する必要があると訴えた。
西バルカン諸国の地域協力強化を目指すドイツ主導の取り組み「ベルリン・プロセス」の首脳会議が開かれたアルバニアの首都ティラナで記者会見を行った。
EUは数年前に6カ国の加盟を約束したが、既加盟国の消極姿勢に加え、6カ国が改革を行っていないために、加盟手続きは進んでいない。
フォンデアライエン氏は「われわれは、西バルカン諸国の潜在力を活用し、欧州単一市場(EU)加盟に近づけなければならない」と訴えた。
同氏は、財・サービスの移動、交通、エネルギー、デジタル市場などの分野でEUが西バルカン諸国に市場を開放するなどの成長計画を実施するには、これら諸国自体による抜本的な改革が必要だと強調。西バルカン諸国が独自の単一市場を創設すれば、6カ国の経済は合計10%押し上げられるとの見通しを示した。
「改革を行えば、EUが投資のための資金を提供する」とも述べた。
会議に出席したドイツのショルツ首相は、6カ国が単一市場の創設に向けて前進すれば「EU基準に大きく近づくだろう」と訴えた。
西バルカン諸国はアルバニア、ボスニア、コソボ、モンテネグロ、北マケドニア、セルビアの6カ国。このうちセルビア、アルバニア、北マケドニアは昨年、3カ国の国民が身分証明書を示すだけで自由に各国間を移動できるようにする合意に調印した。