David Lawder
[ワシントン 4日 ロイター] - イエレン米財務長官は今週5─7日にメキシコ市を訪問してロペスオブラドール大統領や閣僚らと会談を開き、不正な資金の流れへの対処や米国内で被害が拡大している医療用麻薬フェンタニルの密輸対策で協力強化を探る。米財務省の当局者らが4日、明らかにした。
同省は同日、フェンタニルの対策本部を設置すると発表。テロ・金融情報局や内国歳入庁(IRS)犯罪捜査局など省内の資源を集結させて麻薬密輸の阻止に取り組む。
バイデン米大統領は先月、中国の習近平国家主席との会談で、フェンタニルの前駆体物質(原料)の中国からの輸出を阻止するために協力を強化することで合意。メキシコの麻薬カルテルが中国から輸出される前駆体物質でフェンタニルを違法に製造しているとされている。
イエレン氏は声明で、「利用可能な手段を総動員」して米国への麻薬密輸を阻止すると表明した。
財務省高官によると、イエレン氏はメキシコ政府高官や金融機関幹部らと、麻薬取引に絡む不正な資金の流れへの対策強化について話し合う見通し。
また、米国の供給網を同盟・友好関係にある国で完結させて耐性を高める「フレンドショアリング」について、メキシコが主要な移転先となることについて理解を促す見通し。