Liz Lee
[北京 27日 ロイター] - 中国北西部の西安市と銀川市は、今後数日、深刻な大気汚染で濃霧の発生が予想されるとして住民に自宅待機を呼びかけるとともに、重工業の生産を制限し、石炭の加工を停止した。
中国中央気象台によると、北部と東部で28日の早い時間から30日にかけて濃霧が発生する見込み。30日午後には寒気が入り込み濃霧は解消すると予想した。
陝西省の省都西安市では27日、深刻な大気汚染が29日まで続くとして赤色警報を発令。排出量を削減する強制的な緊急措置を導入した。市民に公共交通機関の利用を求め、企業にも柔軟な勤務形態を許可するよう要請している。
中国国営中央テレビ(CCTV)によると、同市は汚染物質を排出する企業や建設現場などに対し生産スケジュールを調整し、積極的に排出量を減らすよう呼びかけた。
寧夏回族自治区の首府銀川市では26日午後から排気汚染物質の排出を20%以上削減する措置を導入。29日まで中程度の大気汚染が予想されるとしている。中国新聞社が配信した写真によると、同市は灰色にかすんでいる。
両市は、建設現場の解体作業や吹き付け作業の大半を停止。セメント工場、石炭加工、石切り、鉱業についても、生産や大型トラックを使ったバルク材の輸送を停止した。ディーゼル車などの使用制限も拡大している。
中国中央気象台は、河北省、山東省、江蘇省、安徽省、重慶市で濃霧により視界が200メートル以下になるとし、年末のピーク時の交通や輸送に支障をきたす可能性があると警告した。大気汚染は主に微粒子によるもので、呼吸器疾患や心血管疾患を持つ人々に注意を促している。
CCTVによると、安徽省では6都市が深刻な大気汚染状態になったことを受け27日午後に2番目に深刻なオレンジ色警報を発令した。