Jeff Mason
[チャールストン(サウスカロライナ州)8日 ロイター] - 2024年米大統領選で再選を目指すバイデン米大統領は8日、南部サウスカロライナ州で演説し、白人至上主義と政治的暴力を非難した。
バイデン氏は同州最大都市チャールストンにあるエマニュエル・アフリカン・メソジスト監督教会で演説し、黒人有権者に直接メッセージを伝達。「アメリカでは真実が攻撃されており、その結果、われわれの自由、民主主義、国そのものも標的となっている」と述べた。
同教会では15年に黒人9人が殺害される銃乱射事件が起きた。バイデン氏は同事件に言及し「白人至上主義という毒は、今日も明日も、そしてこれからも、米国には存在しない」と語った。
バイデン氏は、共和党候補指名争いの最有力であるトランプ前大統領への攻撃を強める一方で、インフレ率の低下や黒人失業率の低下、住宅差別の解消といった政権の取り組みをアピール。トランプ氏支持者による連邦議会議事堂襲撃事件に触れ、トランプ氏を民主主義への脅威と評した。
バイデン氏の演説はイスラエルとパレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスとの停戦を求めるデモ隊によって中断される場面があった。バイデン氏は、イスラエル政府と協力してガザ攻撃を大幅に縮小するよう働きかけていると述べた。
民主党は慣例として中西部アイオワ州の党員集会を予備選挙のスタートとしてきたが、今回はサウスカロライナ州予備選が候補者選びの初戦となる。支持率が低迷する中、バイデン大統領は黒人支持者の多いサウスカロライナ州で勝利し、再選に向け弾みを付けたい考え。
バイデン氏陣営によると、バイデン氏は2月3日の予備選の前にサウスカロライナ州を再び訪問する予定。