[香港 29日 ロイター] - 中国の最高人民法院(最高裁)と香港で法務行政を担う「律政司」は29日、民事・商事に関する判決の相互承認・執行に関する取り決めに調印したと発表した。中国本土と香港で直ちに発効する。
律政司は声明で、訴訟の当事者が同じ紛争を本土と香港の裁判所で再度争う必要がなくなり、リスク、訴訟費用、時間が軽減されると説明した。
今回の取り決めが具体的にどのような形で機能するかは不透明。こうした広範な分野で判決の相互承認・執行に関する取り決めを中国本土と結んだのは香港が初めてという。
香港は今年、国家への反逆行為を取り締まる香港基本法23条を立法化する「国家安全条例」を施行する準備を進めている。中国による統制がさらに強まり、外国機関に対する管理を強化するスパイ防止法も盛り込まれるとみられている。
欧米では、中国政府が1997年の香港返還時に約束した香港の「高度の自治」が守られていないとの批判が出ている。