フェイスブック (NASDAQ:FB) の過去最悪の下落はいまだに続いている。 7月にフェイスブック株は第2四半期の結果を受けて2日間で約22%の下落を記録したが、現在も下落は続いている。
同時期には皮肉にも、FAANGのアップル(NASDAQ:AAPL) やアマゾン(NASDAQ:AMZN)は最高値を更新していた。
この下落はいつまで続くのか?また下落は押し目になるのか?
私たちの見解ではまだ買い時ではないと言える。
まず、フェイスブックは、ロシア疑惑やケンブリッジ・アナリティカ事件後、セキュリティ規制や信用回復に何十億ドルを投資する必要がある。
フェイスブックCFOのデビッド・ウェーナー(David Wehner)氏は6月25日の収支報告で、フェイスブックはインフラ構築やセキュリティへの投資として、フェイクニュースや大統領選の介入などの問題の捜査のために数千人を雇用する予定だ。これにより今年50-60%の支出増加が見込まれ、これは2019年の収益成長率を超えるだろうと語っている。
設備投資額の中にはデータセンターや備品などが含まれ、2018年で合計で150億円に達する予定だ。これは昨年の支出額の2倍以上である。
最近のフェイスブックの公式ブログでは、新テクノロジーやパートナーシップの構築によって、写真とビデオのファクトチェック(事実検証)によるフェイクニュース防止を図っているという。
マーク・ザッカーバーグCEOは、2年前と比べフェイスブックは、妨害工作により強くなっていると述べている。同氏はフェイクアカウントの削除と、セキュリティー強化の計画に力をいれてくことを強調している。
ユーザーエンゲージメントは減少傾向
フェイスブック株への脅威は、これらの対策によってユーザーエンゲージメントへのダメージが拡大するということだ。
ピュー研究所(Pew Reserch Center)が今月公表した資料によると、2016年の大統領選に関するフェイスブックへの批判の後で、フェイスブックのユーザーの動向が変わったという。
昨年、半分以上の米国ユーザーはフェイスブックのプライバシー設定を変更したという。
また、10人中4人以上はフェイスブックは休止し、4分の1のユーザーは携帯からFacebookアプリを削除したという。
同社の最新の売上レポートによると、フェイスブックの収益成長率の上昇は40%から20%に急激に低迷している。
フェイスブックの将来を決めるのは、いかに早くフェイスブック株がこれらの課題を克服できるか、売上高の成長によって良い方向性を掴むことができるかどうかだろう。
数週間後にフェイスブックが決算を発表するが、その時にこれらの問題を克服していけるかどうかの手がかりを知ることになるだろう。
忘れてはいけないのは、フェイスブックは今まで予想を毎回予想を上回ってた歴史があるということだ。
要点
フェイスブック株はすぐに反発するようには見えない。フェイスブックの規制対応への多額の支出とユーザーエンゲージメントの鈍化は、短期的に収益成長率をスローダウンさせるだろう。
しかし、規制のリスクが減り、売上高が安定してきたら、長期の投資家にとってフェイスブックはいい選択肢になるだろう。
これらの問題や悪いフェイスブックの評判があっても、フェイスブックはいまでも十分に利益を上げられるビジネスモデルをもっている。今年は30%台半ばの利益率が期待されている。
押し目でフェイスブック株を買うことは、フェイスブックの長期的な潜在能力に投資するということだ。
フェイスブックの20億以上の月間アクティブユーザーや、これからまだまだ伸びるインスタグラムやWhatsAppの資産を考慮すると、フェイスブック株自体は悪くはない投資だ。