ウォルマートの第4四半期決算はコストとオンライン販売の実績が焦点となる

発行済 2019-02-13 19:54
更新済 2020-09-02 15:05

  • 2月19日(火)の市場開始前に2019年第4四半期の決算発表
  • 売上予想:1,386億6000万ドル
  • EPS予想:1.33ドル

来週、世界最大の実店舗販売小売業であるウォルマート(NYSE:WMT)が第4四半期の決算を発表するが、株価上昇には投資家に説得力のある理由を提供する必要がある。投資家にとって最大の懸念の1つは、コストが増加しているときに、どのように利益率を改善し続けるかということだ。

WMT 週足

第3四半期には、業績のバロメーターとなる米国内既存店売上高が3.4%増加し、アナリストの予想を上回ったが、コストも上昇したため、株価の上昇にはつながらなかった。ウォルマートは、コスト管理は当然のことながら、eコマース戦略において、数多くの客を惹きつけているアマゾン(NASDAQ:AMZN)をはじめとする競合他社に対抗できることも証明する必要がある。

これらの課題を考えると、ウォルマートの過去の四半期決算報告書は印象的だった。 2015年度第3四半期から始まった既存店売上高の好転は、2019年度にはペースを速めている。2018年11月15日の直近の決算では、既存店売上高が16四半期連続で増加した。これからも米国内の成長の勢いが続き、ウォルマートはその好業績を繰り返し続けることができると思われるが、その理由は同社のかなり有利なポジショニングにある。

現在の成長サイクルは、eコマースへの同社の大規模な投資、より清潔で品揃えの豊富な店舗への注力、および食料品の提供改善という、重要な取り組みによって推進されてきた。同社の長期的な成功に不可欠なEC(電子商取引)事業は、過去2度の決算で約40%拡大しており、順調な印象を与えている。

決算では、ウォルマートがこれからも小売業で市場シェアを獲得し続けながら、コストを抑制できるかが注目点となる。その点では同社の巨大な価格交渉力は他の小売業者にはなく、サプライヤーからより低価格で仕入れをすることができるのは大きな強みといえる。そしてこれこそが有利なポジショニングに同社がいられる理由なのだ。

短期的な逆風

そうは言っても、株価を圧迫する可能性があるいくつかの短期的な逆風はある。大規模な電子商取引企業より小規模会社を支援しようとするインドの最近の規制の動きは、決算を前に、ウォルマートの世界的な成長拡大に、ある程度の不確実性を生み出している。

インド市場の新しい規制はウォルマートの子会社であるフリップカートやアマゾンのインド国内の売上を減少させるかもしれない。ウォルマートの株価を圧迫する可能性がある他の要因には、進行中の米中貿易戦争や世界経済の不確実性もある。

しかし、これらの課題にもかかわらず、長期投資家はウォルマート株を好んでおり、特に好業績の勢いが強いままeコマースでもシェアを拡大し続けるならば、同社株をディフェンシブ銘柄の最適候補と見なすだろう。

要点

投資家の中には、株価収益率が約20倍という点で、割高と考える人がいるかもしれない。しかし、その懸念は、同社が5年前と同じ会社ではないという事実を無視している。

現在のEC事業の勢いに加え、強力な既存店の小売事業があることを考えれば、決算後に売られたとしても、それは長期投資家にとって良いエントリーポイントになるはずだ。

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