新型コロナウイルスは今後、企業業績や金融市場に影響を与え続けるだろう。
ドナルド・トランプ米大統領は今週、新型コロナウイルスが流行し、多くの命が危険に晒されている中「非常に痛みを伴う2週間」に備えておくべきだと語った。
このような不確実性の中で有望な銘柄を見つけることは、困難と言えるだろう。以下が長期投資におすすめの10銘柄である。
高配当4銘柄
不況下においては多くの企業が現金を温存し、配当を見送るため、高配当銘柄を見つけるのは難しい。
そこでゴールドマン・サックスは、90四半期連続で減配なしの企業を、ラッセル1000からピックアップしている。同銀行によると、これらの企業は十分な現金と健全なバランスシートを持っているとのこと。
例を挙げると、ホーム・デポ (NYSE:HD)やIBM (NYSE:IBM)、スリーエム・カンパニー (NYSE:MMM)、シスコ・システムズ (NASDAQ:CSCO)などである。
ゴールドマン・サックスのストラテジストであるCole Hunter氏は30日、「これらのラッセル1000企業は、継続的に配当を支払う意向を示しており、新型コロナウイルス拡大前からそれほど暴落していない」と述べた。
大型3銘柄
また、バンク・オブ・アメリカはこの非常に厳しい経営環境の中で生き残る可能性の高い「トップ10米国株」を発表した。
このリストには、アップル (NASDAQ:AAPL)などが含まれている。同銀行によると、コロナウイルス関連の悪材料のほとんどが、既に織り込まれているという。アップルは1月の最高値から26%の急落後、現在は240.91ドルで取引されており、長期・短期の投資家にとって魅力的なエントリーポイントとなっている。同銀行は、アップルの目標株価を300ドルに設定し、買い推奨としている。
多国籍企業のハネウェル・インターナショナル (NYSE:HON)は、強力なバランスシートや豊富なキャッシュフロー、低いオペレーションリスクなどの理由からバンク・オブ・アメリカのトップピックの一つである。
「多角的な事業や受注残、長期的な収益サイクルなどにより、ハネウェルの収益は予想しやすい」とバンク・オブ・アメリカは述べ、同社の目標株価を155ドルに設定した。
景気後退のリスクが上昇した場合、小売企業も安全な避難先となりえるだろう。プロクター・アンド・ギャンブル (NYSE:PG)は、クレストやタイド、バウントなどの有名ブランドを複数所有しており、小売企業の中でも特にお勧めである。
同社は景気の影響を受けにくい生活必需品を生産している。したがって、安定したインカムゲインを求める際に、最初に推奨する銘柄の一つとなっている。
2018年中頃から約80%高となった同株は、年初来で12%安となっている。2日の終値は109.33ドルであった。バンク・オブ・アメリカは同株の目標株価を135ドルに設定し、買い推奨としている。
テック3銘柄
クレディ・スイスによると、テクノロジーセクターは大打撃を受けているものの、新型コロナウイルス関連の不確実性が終われば一部のテクノロジー銘柄は強く反発する可能性があるという。これらの企業は、新型コロナウイルスによるビジネスや消費者嗜好の変化から恩恵を受けると見られている。
新型コロナウイルスの終息後、ローカル広告のオンライン化や食料品や高級品のEコマースの増加、在宅勤務の増加、出張の減少などが予想される。このトレンドの恩恵を受ける企業として、アマゾン・ドット・コム (NASDAQ:AMZN)やアルファベット (NASDAQ:GOOGL)などが挙げられる。
「このような環境下で生き残れる能力(バランスシート、人員数、製品開発力)を持っている企業は、コロナウイルス終息後に強く反発すると見ている」とクレディ・スイスは述べた。また「したがって、アマゾンとアルファベットが今後強く反発すると考えている」と付け加えた。
先進国の大半で移動制限が実施される中、旅行関連銘柄がすぐに反発するとは考えにくい。しかし、クレディ・スイスは、移動制限が解除された際、旅行サイトのブッキングドットコム(NASDAQ:BKNG)は反発する可能性があると予想している。クレディ・スイスの見解では、同社は健全なバランスシートを有し、今後より多くのシェアを獲得できるとしている。