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フロリダ産オレンジの収穫量が70年ぶりの低水準 ジュース価格とインフレに拍車

発行済 2022-01-26 10:37
更新済 2020-09-02 15:05

オレンジは、さらに高価になるかもしれない。

米国フロリダ州では、オレンジの収穫量がここ数十年で最も少なくなると予想され、オレンジ・ジュース価格が高騰している。

月曜日に冷凍濃縮オレンジ・ジュースの先物価格はICE で1ポンドあたり1.5538ドルで取引された。過去10日間のうち7日間で上昇し、月初来では6%以上上昇している。これは12月の19%上昇(過去6年間で最大の上昇率)、11月の2%上昇に続くものだ。

Orange Juice Daily

すべてのチャートはskcharting.comによる提供

コロナ禍により、オレンジの収穫と農場・工場でのジュース生産が中断されたため、2020年通年でオレンジ・ジュース(業界用語で”OJ”)は87%上昇した。また、パンデミック時に健康的な食品を求めてスーパーの棚に殺到したアメリカ人の間で、ジュースの需要が急増した。

昨年は需要が落ち着いたが、それでもオレンジ・ジュースは朝食の定番として価格は20%近く上昇した。

PepsiCo (NASDAQ:PEP)傘下のトロピカーナ、ネイキッド・ジュース、Coca-Cola (NYSE:KO)のシンプリー・オレンジなど米国の大手ジュース・ボトラーは消費者に価格を転嫁しないで自社でコスト増を受け入れたので、2020年にはオレンジ・ジュースの価格上昇は起きなかった。



しかし、2021年に状況は一変し、ほぼすべての食品メーカーが値上げを行った。これは12月までの1年間で消費者物価指数は7%上昇し、過去40年間で最高となったことからも明らかである。

そして、オレンジ・ジュースは年初来6%上昇し、作物の凶作と技術的な指標を考慮すると、おそらく価格の上昇トレンドは今後も続くと、市場参加者は警戒する。

Price Futures Groupのチーフ作物アナリストである、Jack Scoville氏は「主にインフレ懸念からオレンジ・ジュースに投機的な買いが入っているようだ」とみている。

「日足チャートでも、先週からフロリダ産オレンジの生産量見通しが減少していることに伴い、価格上昇トレンドが続いている」

Orange Juice Weekly

米国農務省は、フロリダ州のオレンジに関する最新の見通しを発表し、同州の生産者は、業界で一般的な測定方法である90ポンド箱4450万個分に相当する量を生産すると予測した。

これは、12月に発表された4600万箱という予測から下方修正された水準だ。

また、フロリダ州におけるオレンジの生産者の一社であるSchacht Grovesの共同経営者Louis Schacht氏は、州の12 News networkに対して、第二次世界大戦以降最も少ないオレンジの収穫量になると述べた。

「フロリダを代表する作物で、州で2番目に大きな産業である。今回の凶作は非常に悩ましい」と落胆する。

Schacht氏は、この1年間フロリダ州産オレンジの生産減少の原因はカンキツ・グリーニング病であるとした。

カンキツ・グリーニング病は、オレンジの成長を阻害するバクテリアの影響で、オレンジが青くなり、味も苦くなる。また、オレンジの木が弱り、実をつけることができなくなる。

フロリダ州のオレンジのほとんどは、オレンジ・ジュースに加工される。

米国農務省は当初、フロリダ州の生産者が2020-2021年シーズンに5280万箱を収穫した後、今期は4700万箱分のオレンジを生産すると予測していた。

フロリダ州の厳しい寒さは、オレンジの木も直撃していると、 Price Group FutureのScoville氏は、同州の冬季の到来が、作物を育む断続的な雨と温暖な気温を無効にしていることを挙げている。

フロリダ州はともかく、世界最大の柑橘類生産国であるブラジルでは、開花時期に乾燥し、収穫直前に冬季入りした、とScoville氏は言う。

Orange Juice Monthly

オレンジ・ジュースのファンダメンタルズは、この作物の価格設定にとって有望であると思われるが、テクニカルはどうだろうか。

Skcharting.comのテクニカル・ストラテジスト、Sunil Kumar Dixitは、オレンジ・ジュースの月足チャートをみると、数年来の高値圏で取引されてきた長いコンソリデーションの後、1ポンドあたり1.48ドルを明確に強く上抜けたことを指摘している。

「価格が上昇している他のコモディティと同様に、オレンジ・ジュースも上昇が一段落する可能性が高く、主要な上昇トレンドの再開の前に、ブレイクアウト・ポイントを再度試す展開になるかもしれない」と同氏は言う。

1月までの上昇にもかかわらず、オレンジ・ジュースの日足と週足チャートは、1.56ドルの年内ピークから自然な調整が始まっている可能性を示していた。

「日足チャートでは、ボリンジャー・バンドの中間バンドである1.47ドルと50日指数移動平均の1.40ドルに再接近する可能性がある。大まかに言えば、オレンジ・ジュースは、主な上昇トレンドに歩調を合わせるために、1.40-1.37ドル以上を維持する必要がある」

免責事項:Barani Krishnanは、あらゆる市場の分析に多様性を持たせるために、自分以外のさまざまな見解を用いている。中立性を保つため、時には逆張りの見解や市場の変数を提示することもある。彼は執筆している商品および証券のポジションを保有していない。




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