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金は再び1,800ドルの命綱を手に入れたが、米雇用統計に耐えられるか?

発行済 2022-02-03 09:22
更新済 2020-09-02 15:05

おそらく市場の強気筋も驚いたと思うが、は3取引日前に華々しく下落した後、火曜日に1オンス=1,800ドルを再び超えた。

しかし、当記事執筆中(ニューヨークの午前0時過ぎ、シンガポールの午後1時、ロンドンの午前5時)には、COMEXの4月限はすでにサポート・ラインのすぐ下、1799ドル15セントで推移している。

サポート・チャネルを行ったり来たりするのは、コモディティ、特に金のように取引量の多いコモディティでは日常茶飯事なので、これは問題ではない。しかし、金が1,800ドルの水準に留まるのか、上昇を続ける可能性が本当にあるのかどうかを見極める必要はある。

その答えは、いつものように、ヘッドラインや経済指標、強気・弱気の判断、そしてチャートという3つの要素によって考えることができる。

Gold Daily

チャートはいずれもskcharting.comから取得

火曜日に金が1,800ドルを超えたのはヘッドラインのおかげであり、今も金にとって有利に働いているようだ。しかし、いつピボットするかは誰にもわからない。

カンザスシティ連銀のEsther George総裁、サンフランシスコ連銀のMary Daly総裁、フィラデルフィア連銀のPatrick Harker総裁などの連邦準備制度理事会の高官が、インフレ対策を目的としたFRBの利上げによって米国経済が過度の損害を被ることはないと強調したため、金の価格が上昇した。彼らのコンセンサスは、今年中に4回、1回につき0.25%の利上げを行うべきだというものだった(それ以上乗り上げは、状況がより悲惨でなければならない、と彼らはほのめかしている)。

Gold Weekly

ほんの1週間前に、FRBがいわゆるインフレという問題に対処するために0.50%を含む5回もの利上げを行おうとしていると市場は警戒する展開となった。しかし、そうではないということが、火曜日の金融市場に安心感を与え、やその他多くのリスク資産を広範囲に渡って上昇させることになった。

ドル・インデックスはもちろん、FRBが金利について短期的で激しいものではなく、長期的なゲームを行うというニュースによって弱含んだ。これがまさに金の上昇を促したのだ。

ブルームバーグが追跡している金上場ファンドの資金流入も支えとなり、月曜日に5トン以上の金塊を追加し、今年の増加量を42トンに伸ばした。

しかし金にとって有利に働き、かつ大きく作用したヘッドラインがもう一つあった。ホワイトハウスのJen Psaki報道官は、1月初旬に約900万人の求職者が体調を崩したことを明らかにし、おそらくコロナウイルスのオミクロン株が原因であった可能性があることを発表した。これは、金曜日の雇用統計が予想を大きく外れるという憶測を呼び起こした。

これまでのところ、エコノミストのコンセンサスは、11月の19万9000人増に対し、12月は15万人の雇用を増加させたというものである。Psaki氏の発言からすると、先月の数字はさらに小さくなる可能性がある。

FRBは雇用の回復を維持することに重点を置いており、インフレ対策と同格に考えていることから、今後数ヶ月の引き締め策にはさらに慎重な姿勢を示すかもしれない。

ヘッドラインや経済指標の観点からは、FRBがより穏健になるという見通しは、米ドルや米国債の利回りにさらなる逆風をもたらす。このため金の強気派が弱気派よりも優勢となり、金曜の雇用統計が午前8時30分(グリニッジ標準時13時30分)に発表されるまで、金の相場は1,800ドル以内またはその近辺に留まることになりそうだ。

その後どうなるかは誰にもわからない。そこで疑問が残る。1,800ドル付近を目指す金は、雇用統計まで価値を保つことができるだろうか。その答えは、約48時間後に分かるだろう。

金の見通しを示すもう一つの指標は、もちろんテクニカル・チャートである。

Gold Monthly

先週、1853ドルから1780ドルへと73ドルも一気に下落した後、金は28ドル回復し、1780ドルから1808ドルへと上昇した。これは最初の下落のフィボナッチ・リトレースメントの38.2%に相当する、と skcharting.com のチーフ・テクニカル・ストラテジストSunil Kumar Dixit氏は指摘する。

「73ドルの下落に対するフィボナッチ50%と61.8%の水準である1817ドルと1825ドルの次のレッグで回復基調を再開する前に、サポート・エリアを再び試すための横ばい状態が続くかもしれない」Dixit氏はと述べている。

日中の4時間足チャートでは、ストキャスティクスの数値である15/27は売られすぎの領域に近づいており、金価格が回復した場合には前回の1808ドル、1817ドル、1825ドルのレベルを再び試す展開になるかもしれないと期待する。

「1817-1825の抵抗テスト・エリアでベアが来る可能性が非常に高い。しかしそこから1825-1835ドルのクラスターをしっかりと上回り、1853をクリアすることはかなり難しく、よほど強い地政学的なトリガーがない限り可能性は低い。また1780ドル以下への下抜けは、1768ドル~1758ドルを当面のターゲットとして、1735ドルまで下げが続く可能性のあるベアの深掘りの最初のサインとなることに注意が必要だ」とDixit氏は動向を見守る。

免責事項:Barani Krishnanは、あらゆる市場の分析に多様性を持たせるために、自分以外の様々な見解を用いている。中立性を保つため、時には逆張りの見解や市場の変動要因を提示することもある。同氏は執筆している商品および証券のポジションを保有していない。

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